風間がオーストラリアでのウインターリーグの日々を回顧
武者修行で得た収穫を胸に2年目の躍進を図る。昨季のドラフト1位・風間球打投手がオーストラリアでのウインターリーグを振り返り、今季に掛ける思いを語った。ルーキーイヤーは怪我からのスタート。なかなか実戦のマウンドにも立てない苦しい時期を経験したからこそ、怪我をせずにプレーできる喜びを一身に感じていた。
「怪我しない身体作りが大事だと思いました。やっぱりオーストラリアに行って、試合で投げててすごく楽しかったんですよ。野球が出来る感謝の気持ちを改めて感じられました」と11月から12月にかけて経験したオーストラリアでの日々を振り返った。右肘の故障もあり、1年目の実戦デビューは10月に入ってから。それでもウインターリーグに派遣されることになり、貴重な経験を積んだ。
4試合に先発したオーストラリアでは、コントロールの重要性を痛感した。「ボール、ボール(と続くの)は野手にもリズム的にも良くない。自分も立ち上がりのコントロールが悪いので、リズムが悪くなって、野手もエラーしてしまったりというのがありました」と苦い思いもした。コントロールを意識するあまり、コースを狙いすぎて上手くいかないこともあった。
「狙いすぎだ」と所属したメルボルンのコーチに指摘されたことも……。「もういいや! 真ん中に投げよう」と割り切って投げてみると、思った以上に抑えられたという経験もした。もともとボールの強さが武器。「真ん中勝負は甘かったら打たれるけど、打たれないぞという気持ちがあれば打たれないんだと思いました」と強気の“真ん中勝負”には手応えも感じた。
日本とは違う野球のスタイルも感じることができた。「外国のピッチャーの変化球は、真ん中からちょっと動かす感じ。そこが日本人と違うのかなと思いました。自分もどちらかというと変化の大きい球、下に落ちるフォークとかを武器にするので。(外国人ピッチャーの変化球の使い方を見て)そういう考えも今後、必要かなと思いました。カットボールとかシュート気味のシンカーとか。これから試合で投げていくとデータも取られますし、変化球も増やした方がいいのかな」と意欲も沸いた。
また、現地でのコミュニケーションについては「結構すんなりいきました。コーチにも英語上手くなったねと言われました」とここでも手応えがあった。得意のコミュニケーション能力にも磨きをかけた。帰国後は実家のある山梨で1人で自主トレを敢行。今月11日に筑後に戻ってきてからも、練習は基本1人で行っている。
「とりあえず走って走って、キャンプまでに体力を付けます」と現在はランニングメニューなどで足腰を鍛えている。“自分で考えてやる自主トレ”に充実感も感じている。昨季1年間、ほとんどリハビリ組の管轄だったため、練習やトレーニングはトレーナーの指示や助言の下で行っていただけに「自分で考えてやるのがすごく楽しいです」と話す。2年目の今季は「しっかり2軍のローテで回って、良ければ1軍で投げたい。まず怪我をしないように頑張ります」。着実にステップを踏んでいく覚悟に満ちたドラ1右腕の覚醒に注目したい。
(上杉あずさ / Azusa Uesugi)