攻撃重視でスタメンを選ぶとどうなる? 指標でホークスの来季オーダーを考察

ソフトバンク・野村勇、渡邉陸、正木智也(左から)【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・野村勇、渡邉陸、正木智也(左から)【写真:荒川祐史】

攻撃を重視すると野村勇をスタメンで使わない手はない

 今季、2年ぶりのリーグ優勝に迫りながら、最終戦で頂点を逃したソフトバンク。3年ぶりのリーグV奪還が至上命令となる来季に向け、FA市場で近藤健介外野手を獲得するなど、来季の戦力を整備すべく、積極的に補強を行っている。競争も激しく、藤本博史監督は来季の“レギュラー白紙”を強調している。

 では、野球を科学的に分析するセイバーメトリクスの指標を用いて、ホークスのベストオーダーを探るとどうなるか。今回は守備面を度外視した“超攻撃型”のオーダーを考察してみたい。指標はセイバーメトリクスで分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを参照した。

 攻撃力を測る今回は「wRAA」という指標を用いる。「wRAA」は同じ打席数をリーグの平均的な打者が打つ場合に比べてどれだけチームの得点を増やしたか、または減らしたか、を表す指標。この値が高い選手ほど、多くの得点をチームにもたらしたと評価できる。

 今季のホークスで「wRAA」の上位3人は柳田悠岐外野手、今宮健太内野手、牧原大成内野手となる。柳田はwRAAが23.4、今宮は14.5、牧原大は13.1となっており、パ・リーグ全体でも柳田は6位、今宮は11位、牧原大は12位と上位につけていた。

 現時点での来季の支配下登録選手で、この3人に次ぐのが野村勇内野手。今季、球団の新人最多記録に並ぶ10本塁打を放った野村勇のwRAAは6.9。攻撃力を見ると、スタメンで使わない手はない。さらに中村晃外野手(wRAAは5.5)、柳町達外野手(wRAAは4.0)と続いていく。

 チームで7位に位置するのは正木智也外野手(wRAAは4.0)。さらに上林誠知外野手(wRAAは3.3)、栗原陵矢外野手(wRAA3.2)、三森大貴内野手(wRAA2.6)と続く。捕手のトップは渡邉陸でwRAAは2.4。正捕手である甲斐拓也のwRAAが?16.3だったことを考えると、攻撃面を重視するなら渡邉陸がファーストチョイスとなるか。

 ちなみに、新加入の近藤の今季のwRAAは25.4と柳田をも上回る。近藤を左翼に置くとして、これらのwRAAの上位選手から各ポジションに当てはめていくと、攻撃力を生かすオーダーは以下のようになった。
 
【攻撃重視型布陣】
捕手 渡邉陸
一塁 中村晃or正木智也
二塁 野村勇
三塁 栗原陵矢
遊撃 今宮健太
左翼 近藤健介
中堅 牧原大成
右翼 柳町達or正木智也
DH 柳田悠岐

(鷹フル編集部)