鷹・中村晃が秘める“生涯ホークス”の思い 9000万円ダウンの2年契約に滲む覚悟

契約更改交渉に臨んだソフトバンク・中村晃【写真:福谷佑介】
契約更改交渉に臨んだソフトバンク・中村晃【写真:福谷佑介】

交渉を担当した北村弁護士も「最後までやりたいという強い希望がある」

 ソフトバンクの中村晃外野手が14日、本拠地PayPayドーム内の球団事務所で契約更改交渉を行い、減額制限(1億円以上は40%)に迫る9000万円ダウンの年俸1億5000万円(金額は推定)で新たに2年契約を結んだ。一定の条件をクリアすれば、自動的に1年、契約が延長されるオプションが付いた変則的な複数年契約で、中村晃は「球団と北村先生のおかげでいい契約をしていただくことができたので感謝しています」と語った。

 2007年の高校生ドラフト3巡目で帝京高から入団した中村晃は今季がプロ15年目のシーズンだった。一塁手や外野手などで114試合に出場したものの、打率.253、7本塁打51打点と自身でも「残念な成績」と語る数字で終わった。2019年に結んだ4年契約の期間中はなかなか数字も振るわず「特にいい成績も残せずだった。悔しかったですし、申し訳なかった」と言う。

 大幅なダウン提示を受け入れる中で、中村晃サイドの希望は「3年契約」だったと代理人を務めた北村晴男弁護士は明かす。その理由として「本人がソフトバンクで最後までやりたいという強い希望があります」と挙げ、中村晃自身も「僕はそのつもりでやっています」と“生涯ホークス”を誓う。グラウンド内外でチームに貢献してきた中心選手だけに、それに応える形で再びの複数年契約となった。

 もちろん中村晃自身、ここで終わるわけにはいかないと自覚している。11月5日で33歳となり、2年契約が終わる2024年には35歳になる。「やっぱりもう1回レギュラーで驚くような成績を残したい思いもありますし。この2年で成績が振るわなければ、こういう世界ですから覚悟も持っています」。この2年が勝負。結果を残せなければ、チームにはいられないかもしれない。その覚悟も持っている。

「(シーズンの)後半は少しずつ、これかなというものも出てきたので。それを来年出せるように、オフにしっかり練習していきたいと思います」。シーズン後半には打撃面での光も感じていた。プロ16年目の来季へ。“生涯ホークス”を貫き通すためにも、結果が求められるシーズンになる。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)