なぜ大竹耕がリスト入り、古川侑獲得? 鷹・三笠GMが明かす現役ドラフトの戦略と狙い

ソフトバンクが獲得した日本ハム・古川侑利(左)と阪神に指名されたソフトバンク・大竹耕太郎【写真:荒川祐史、藤浦一都】
ソフトバンクが獲得した日本ハム・古川侑利(左)と阪神に指名されたソフトバンク・大竹耕太郎【写真:荒川祐史、藤浦一都】

「他球団が魅力的に思う選手をリストアップするのが戦術としてあり得る」

 NPB史上初となる現役ドラフトが9日、開催され、ソフトバンクは日本ハムの古川侑利投手を指名、大竹耕太郎投手が阪神から指名されて移籍することが決まった。終了後にソフトバンクの三笠杉彦取締役GMが報道陣に対応し、大竹耕をリストに挙げ、古川侑を指名した狙いについて語った。

 大竹耕は今季1軍で2試合に登板。2軍では先発ローテを担いながらも、なかなか1軍での登板機会に恵まれないシーズンが続いていた。三笠GMは「なかなか1軍で登板機会を与えられない状態が続いていましたので、いいタイミングだったんじゃないかと思います」とリストに挙げた理由を明かした。

 また戦略的な面もあるという。今回の現役ドラフトでは獲得希望選手として他球団からより多くの支持を集めた選手の球団が1番目の指名権を得る。そして、指名順1位の球団が指名した選手が所属する球団が次に獲得選手を指名できる。より他球団が獲得を望む選手をリストに挙げた方が、早い段階で指名順が回ってくる仕組みになっていた。

 三笠GMは「いわゆる指名が多かった球団から指名し、指名された球団が次に指名していく。そういう意味では他球団が魅力的に思う選手をリストアップするのが戦術としてあり得る。そのバランスの中で(大竹耕は)対象になった」と明かした。球団としてなかなか出場機会は与えられていないものの、他球団にとっては魅力的な選手として、大竹耕が挙がった。

 大竹耕に代わって加入する古川侑について三笠GMは「僕らとしては、楽天と日本ハムにいて、今年も30試合以上投げており、ホークスとしても認識しているいい投手。若いですし、伸びしろもある。リストが各球団から提出されて獲得したい選手を順位付けするわけですけど、投手を獲得したいと思っていた。主に中継ぎかなと思うけど、層を厚くすることを期待しています」と期待を寄せていた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)