連日ハードな練習を行った投手陣だが「そんな多いとは感じていない」
18日に宮崎での秋季キャンプを打ち上げたホークス。新たに就任した斉藤和巳1軍投手コーチが、キャンプを総括した。斉藤コーチの一問一答は以下の通り。
――栗原選手の手締めはいかがでしたか。
「やりやがったなというね。途中でもう気づいた。まあまあまあ、よしとします」
――栗原選手に声はかけられた?
「まだその後会っていないけど、いずれ会うので。心の準備だけしてもらいます(笑い)」
――秋季キャンプを振り返って。
「充実はしていましたよ、正直。自分が想像していたよりもいろいろとやることであったり、考えること、頭を使うことが非常に多いなと。この秋のキャンプだけじゃなく、来年に向けたところ、2月のキャンプも含めたところもいろいろと考えないといけない。初めてのことなので、そういったところがいろいろ発見というのもありますし、自分が現役のときにそういう形で当時のコーチの方々に考えていただいていたんだろうなと感じました。これからは逆の立場になって、選手にいい状態でアプローチできるような、そういう状況を作らないといけないなと思います」
――どんな発見があった。
「発見はやっぱり、1人1人の選手の性格であったり、考え方であったりというところが一番の発見ですね」
――若い選手とのコミュニケーションが目立った。
「コミュニケーションを取らないとね、彼らからも本音を話してもらえないと思いますし。全て本音で話してくれているかというのは分からないですけど、極力、本音でぶつかり合いながら、意見を交わしながらというふうには初めから思っていた。どこまでできていたというのは分からないですけど、選手たちがどう思ってくれたかというのが答えになると思う。これからもそういう形は続けていきたいですし、シーズンを通してコミュニケーションというのは大事にやっていきたいなとは思います」
――選手と一緒に体も動かしていた。
「年を取ったなというところですかね、感じるのは」
――お手本を見せる方が伝わる。
「いやいや、そういうのは全然思っていないですけど。こちらが考えたメニューというのもありましたから、それに関してはある程度見本を見せないと選手も分からないので。回数とかはなかなかできないですけど、そういった形というのも含めて、まだそこまでは体も動くんでね。こういう形でやってもらいたいというのを説明をしたというところ」
――距離感や接し方はどんな意識で。
「いろんな方にも今の現状というか、今の時代というのも含めて、話は聞いていた。実際会ってみて、中に入ってみて、どういうふうな距離感がいいのかというのは接してみないと分からないことですし、全員が全員同じ距離感というわけにはいかないので。その辺りをしっかりと、1人1人と話しながらという感じでは、自分の中ではそう思いながらやっていましたけど。これは選手がどう思っているかが一番ですし、自分が答えを持っているわけではない。ただ自分のそういう行動であったり、発言であったりというのは責任を持ってやらないといけないなとは思っています」
――投手陣の収穫は。
「以前までというのが分からないので。この秋のキャンプというのは練習量はやっているというふうな話も聞くので、それなら、その練習量をこなせたという部分では収穫かなという感じはします。この秋のキャンプではそんなに目に見えた競争というのはないので。それでも(競争は)あるんですけど、そんなにハッキリした競争はないので。本当の収穫というのは春のキャンプが始まって、オープン戦、シーズンとそういうところになってくると思いますけどね」
――逆に課題は。
「課題は、各々で絶対にある。それは本人たちが分かっているはずですし、自分だけじゃなく、(斉藤)学さんであったり田之上さんであったり、話していただいている。僕も伝えていますし、それを選手たちがどう感じてくれるか。この秋のキャンプで全てが終わりではない。誰もがこのオフシーズンが大事だと、口に出しているので。最後の副キャプテンの栗原も、このオフシーズンというところを言葉に出しているわけですから。言葉に出した以上、それは責任としてやり遂げないといけないですし、やり続けないといけない。これからじゃないですか、本当の勝負は」
――MVPは。
「成長度、うーん、どうかな。1人というのはなかなか難しいよね。それはもうずっと言っているから。みんなに期待したいから。それぞれ頑張ってくれているところもあるし、でもまだまだ頑張ってもらわないといけないので。全員というと、そちら側は面白くないという事情もわかっていますけど、全員にしておいてください」
――来季に向けて。
「やるからには勝たないと面白くない。優勝、日本一というのはどこのチームにもチャンスがあるわけですから。そこを目指してやりますし、そうじゃないと選手の頑張りも含めて、これは監督、コーチもそうですし、裏方さんであったりフロントの方々であったり、みなさんそれぞれの持ち場で頑張っているわけですから、勝たないと報われない。長いシーズン、いろいろ波はあると思いますけど、最後に勝てば、いろんなことが報われると思う。それは経験済みですから。最後にはみんなで笑って終わりたいなと。嬉し泣きができるくらい目の前のことに一生懸命、1人1人やっていってもらいたいたいと思います」
――足は大丈夫ですか。
「もうだいぶいいよ。しこりは残っているけどね」
――投手陣も練習量を。今までは個人メニューが多い印象だったが、あえて一緒にさせていたのか。
「これは(斉藤)学さんがこの秋はそういう形でやりたいと言われていたので。ある程度、競争意識を煽りたいというのもあったと思いますし、1人1人が自覚を持ってできる選手が多ければ、そういう形にはならなかったと思うので。それはそういうメッセージもあると思いますね。そういう形やと思いますよ」
――監督も今までなら午後2時、3時に帰っていたのが、5時、6時まで残っていた、と。
「2時、3時に(バスに)乗っていたの? 全然知らないんだけど、2時、3時で終わる練習なんてなかなかないよね、キャンプでね。中身の濃い練習ができているならそれでもいいけど。長くやったからいいわけでもないし、内容がしっかりしていればね。でも、実際、この2年間は負けている。数字的にもピッチャーは改善しないといけないところも出ているので。ということは、やらないといけないです。自ずとこういう形にはなるんじゃないですか」
――厳しさを求められた中で変化を感じた選手は。
「どうかな。自分の中では変化というのは分からないからね、初めてのことなので。前はどういう形でやっていたのか、それは他のコーチからいろいろ話を聞いて、今までより誰々は頑張っているというふうに言われても、自分はフラットな感じで見ている。やって当たり前と思って見ていますから。だから変化というのはそこまで大きくは感じていないかな。やって当たり前のことをやっている。ただ、頑張っているというのは見ていてもわかりますし、以前の練習メニューよりも多いというふうに言われているので。個人的にはそんな多いとは感じていない部分もありますけどね。いっぺんに求めても仕方ないので。徐々に徐々に、量もできるように。量ができないと質は上げられないので」
――選手の意欲も出てきたのでは。
「ここからじゃないですか。みんながいると練習しやすいというのは誰もが感じるところであって、これからは団体で動くわけてはないし、特に12月というのは個人で動くことも多々、出てくる。1人でやるのは甘えも出やすい状況にもなるので。そういうところで甘えているうちは、自分が思ったパフォーマンスであったり、自分が目指しているところには少し遠回りするというのは間違いないと思う。それは本人たちも分かっているはずなので。そこでしっかりと自分を律してやれるか。悔しい思いをみんなしているわけですから。同じ悔しい思いをしてもいいなら、今までと一緒でもいいと思います。それが嫌なら今までとは違う形でオフを過ごさないことには。オフだけじゃないけど、考え方を変えないと、行動は変わらないと思いますけどね」
――斉藤コーチが春までに準備しておきたいことは。
「個人的に? 特に今のところはないかな。ある程度、今来ている選手のことは把握できた。来ていない選手もいるので、そのあたりはちょっと追い追い把握していかないといけない。別に準備というのはそこまで、心の準備くらいかな。2月の方がバタバタしたり、やること多いと聞いているので。この秋だけでも考えること、やることが多いなと思っているくらいなので。個人的に心の準備をして臨まないといけないなとは思います」
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)