今宮が説く感謝の思いの重要性「いろんな人に支えられて野球ができている」
ソフトバンクの今宮健太内野手が18日、若鷹たちに苦言を呈した。宮崎キャンプ最終日となったこの日は午前中で練習は終了。16日間のキャンプを打ち上げると、選手会長は「いろんな人に支えられて野球ができているわけで、そこの感謝の気持ちというのはやっぱり忘れてはならないこと」と語った。
今宮はこのキャンプを免除されていながら、自ら志願して参加した。来季に向けて自身の課題を潰すため、オフに向けてやるべきことを見定めるために参加した一方で、若い選手たちとも積極的にコミュニケーションを図ってきた。若手と一緒に汗を流すことで刺激を受けると同時に、感じることもあった。
「俺たちもやれるという気持ちになったところも多々あると思う。その気持ちがあってこのキャンプやってきているとすごく感じるところではある」と目の色を変えてキャンプに臨んでいたことも実感。その一方で「ここで言おうか迷いましたけど」と前置きした上で「見ている人に向けて、挨拶だったりとか、そういうものに関してはまだまだできていないところもたくさんあった」と指摘した。
選手としては技術、能力が一流であることに加え、人間としても大事なところがあると言う。キャンプ期間で若鷹たちの姿勢、振る舞いを見た今宮は「もちろん技術が一流であること、それはそれでいいと思うんですけど、やっぱり人として、いろんな人に支えられて野球ができているわけなので、そこの感謝の気持ちというところがちょっと薄い気はしました」と語る。
挨拶や人間性などはもしかしたら勝利には直結しないかもしれない。それでも、今宮は「最後の最後、裏方さんであったり支えられている方々のサポートが僕らの中で大事になってくる。そういうところが薄れていくと、僕らも力を発揮できなくなるところは多々あると思う。理解しているとは思うんですけど、大事にしていけたらと思います」と“細部”の必要性を説く。
秋季キャンプ中はあえて前には出ず、後輩たちの「様子を見ていました」という今宮。「年が近い形でいい雰囲気でやれているのは間違いないですけど、切り替えというのがすごく大事。選手間で挨拶するにしても、その他でできないというのはどうなのかなと思ったりする」。来季、日本人で野手の最年長はキャプテンの柳田悠岐外野手の34歳。今宮は中村晃に次いで3番目の年長者になるだけに、チームの未来のためにあえて苦言を呈した。
「チームとしてもそこは大事になってくるところだと思うので。そこは伝えていきたいなと思います」。チームを引っ張る身としての自覚と危機感。今宮のこの言葉、若鷹たちにもきっと届くはずだ。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)