ソフトバンクは6日、宮崎市の生目の杜運動公園で秋季キャンプの第1クール最終日を迎えた。このキャンプから指導を行う斉藤和巳1軍投手コーチが最初の4日間を総括。ここまでの投手陣への印象などを語った。
――どういったことをメモに。
「忘れないように、選手が言った言葉だったりとか、それに対して自分が感じたこととか、見て感じたこととかという感じ」
――アドバイスをたくさんしている。
「聞くためには話しかけないとあかんからね。どういう意識しているのとか、今回課題はなにや、とかいうことをあとは聞くだけ。それに対して、何か質問が飛んできたら、俺はこう思うよとか、こう考えているよとか、こういうことも考えられるねとか、理屈的にはこうじゃないとか、そういう会話。その中で、そう考えているんだったら、こういうことが起きる可能性もあるから、そういうところも気を付けながらやるのも1つの方法だと思うけどね、みたいな。それくらいの会話しか(してない)」
――第2クールで取り組むべきこと。
「第1クールで取り組んできたことを第2クールもやる。いろんなことをやる必要は無い。いっぺんにできるに越したことはないですけど、そんな簡単にいろんなものが身につくわけでもないですし。何人かの選手には地道にコツコツと、自分のやっていることを継続するという。今はまだ実戦とか、そういう形はないから、結果は出ないですけど、投球していく中で必ず調子の悪いときも出てきたりすると思うので、それでもめげずにその先に答えがあるかもしれないので続けるということで話をしましたけど」
――板東投手に15勝を。
「設定はしていないです。本人が言うんで。自ら言った以上はこっちは期待しますよ。それくらい勝ってくれたらいいですし。それに近い数字を残してくれたら、いいわけですから。現に1年間、先発ローテーションとして回ったわけではないですし、2桁を勝ったというわけでもないので。目標は高く持っても問題ないですし、目標を高く持つんであれば、それに対しての取り組みは絶対必要なので、そんな話はしましたけどね」
――気になる言葉はあった?
「全部残っておかないと。誰々の言葉が印象的だったな、じゃダメなので、立場的に。全員の言葉はキャッチしたいので、だからメモしている」
――メモしているのは何かノートに。
「家にあったやつを持ってきただけ。今日はそんなメモ取ってないし。そんな言うほどでもないですよ。毎日話して、違うこと言われるのもこっちも困るので。最初の方にある程度みんな聞いて、あとは別に何か変わるわけでもないですし。その中で変化があればちょこっとメモするくらいで」
――変わるなという投手は?
「みんなに期待したいね、やっぱり。誰というより、名前は監督に任せて、最終決断は監督なので。そういう目をみんな同じような感じでね。ただ、平等はないので、競争なので、それはみんなに言ってますし、競争だから。だから、みんなアピールしてほしい、というのも伝えてますから。こっちは全員に期待したいので、戦力になる選手が1人でも多い方がいいわけですから」
――田中正義投手のブルペンを見て。
「今日のは何かというのは(特にない)。40~50球しか投げていないんでね。映像を撮るというだけで。終わってからちょこっと話はしましたけど。1回も勝てていないというか、先発なのかリリーフなのかというのは決まってないですし、別に先発でローテーションで回ったわけでもないので。立場立場で勝ち星が必要なのか、そうじゃないのか、というのはあるので。現時点で正義が1勝もしていないということに、個人的には何にも引っかかっていないですけどね」
――先発候補の取り組みは。
「今は背中を押している状態なので、正直。そこで自ら意識を高く、今まで以上に高く持ってもらいたいなというのがあるので。この第1クール終わった時点で、何かすごく強いものを感じるというのはないですけど、それはしょうがないことなので。みんなの能力の高さというのを分かっているので、基本的に発揮してもらいたいというのがあるので、背中を押していく状態。秋が終わってこのオフシーズン、しっかり自分たちだけでもやってもらえるような方向に少しでも持って行けたらなと思って」
――ブルペン捕手に注文などもある?
「それは冗談で言ってるだけ。投手を乗せてほしいしね。何か注文しているわけじゃない。一生懸命捕ってくれているのは分かるのでね。それを聞いている投手も、自分のボールがあかんかったかなと思うかもしれないし、頑張ろうと思ってくれたらいいし。キャッチャーもちゃんと捕らないといけないという緊張感をね。だからといってガツンというのもアレなんで。同じやるのなら、緊張感を持ちながらやらないといけない。プロなんでね」
――甲斐野投手への声かけ。
「いじってくれという雰囲気を出すんでね。それに応えているだけです。ちゃんと返ってくるので、それを面白がっているだけです」
――板東投手には普段からの振る舞いについても話した。
「もちろん、そういうところまで意識してくれたら、こっちとしてもありがたいと思いますけどね。まずは自分のやるべきこと、野球に対してやるべきこと、ローテーションで1年間回っているわけでもないので。数試合だけなので。そのための準備を、それと同時進行でもいいですけど、そこまでは求めてないですけど、本人がそういうところを意識してやってくれるのであれば、こちらとしてはありがたいことですけどね」
――藤井も大関もエースを目指したいと。
「へー、そうなんや。やっぱり言葉にした以上はその言葉に責任を持ってくれたらいいなと思います。ただ言うだけは、誰でもできるので、厳しい言い方ですけどね。そうやって言葉にしたのであれば、それに見合うようなトレーニングを含めて、最終的にはそれが結果に結びつけば、本人にとってもいいことですし、本人にとっていいことはチームにとってもいいことなので、そういう方向に行けばいいと思います」
――エース経験者として伝えていきたいことは?
「同じやるなら最後までやろう、と。シンプルなことですよ。やりきろうよって。いろんなことシーズン中でも絶対あるので、失敗することも絶対あるわけですから。それでも、めげずに前を向けるような、心身ともに強さというのは少しずつでも身につけていってもらいたいなというのは思うので。それが自分自身を助けるわけですから。自分自身が助けられることができれば、チームにとってもプラスに働くことは多くなるので。そういうのはミーティングでも選手には伝えた。最終的に自分で自分を助けられるように、マウンドで。それ以外はいろんなサポート、手伝うことは周りはできるけど、マウンドでは誰もできない。そこで自分で自分を助けられるような準備をしていこうということですね」