ソフトバンクは6日、宮崎市の生目の杜運動公園で秋季キャンプ第1クール最終日を迎えた。連日ハードな練習が行われる中で、この日、藤本博史監督は野村大樹内野手と“マンツーマン特守”を敢行。約70分間、ノックバットを振り続け「上達している」と成長を認めていた。
――ちょっと足がつってしまった。
「今年の春も380球ぐらい打って2、3回足つって、最後両足つってやめたもんね。つったら絶対無理やから、最後いい形で捕って終わろうと。こっちもいい運動になったわ、運動不足だったからね。明日はゆっくり休養や」
――第1クールが終わりました。
「各担当コーチが守備の方でもしっかりやってくれてるし、特に打つ方は量をしっかりやらせてくれている。2日間は普通のティーだったけど、3日目からは連ティーとか股割りティーとかリズムティーとか体に負担が大きいものを取り入れながら、選手も必死にやってくれたんじゃないかなと思います」
――斉藤和巳コーチが新しく入った。
「ちょっとピリッとしたというところもあるし、甲斐野とかコントロールに苦しんでるピッチャー、高橋礼とかね。高橋礼なんか今日良かったよ。球もいい感じで来てるし、今度の巨人戦ちょっと投げさせてみようかなって」
――野手で第1クールのMVPは。
「正木じゃないかな。正木が1番いい感じ。バランスよく振れているってことだね。連ティーなんかでも100%の力でするもんじゃないからさ。同じバランスで何回も回っていくんだけど、そのボールが当たる、コンタクトというかの強さっていうのは正木と牧原巧が一番いいバランスで打ってたかな。あとは海野は見てなかったら上半身だけで打ったりね。見てなかったら、やっぱりしんどいから。股割りティーとか1番下半身を使ってやらないといけないやつやから、誰も見てなかったらちょっと抜いてるところあるんかなと。でも、全体的に良くバット振ってると思うよ」
――満足のいく第1クール。
「そうですね、満足ですね。春だったら、まだこの間に投内連係とか、サインプレーとかいろいろ入ってくるから、もっと時間かかるんやけど、秋はそういうのをしないから。個人の実技の量とか、そういうものを多めにやっているんで。今、4時で全体練習は終わってるけど、まだ中でみんな打ってるからね。そういう意味では1000球以上は打てているんじゃないかな。1000じゃきかないわね。特打入れたら、打ってるヤツは1400、1500いってるんじゃいかなと思う。それぐらいしないと、若い時にはね。今しかできないから」
――自分が変わらなきゃいけないという姿勢が出ている。
「各選手から見えてきてますね。初日に王会長のミーティングがあってね、自分の甘さを出すなっていうことで、しんどい時ほど、もう1回頑張るっていうね、そういう意味ではみんなできてるんじゃないかなと思います」
――田中正義投手がブルペンに。
「今日、正義は見てないんだよ。高橋礼を見ていたから。高橋礼はゾーンに来てたかな、球の強さも出てきたかなっていう。斎藤学もちょっと良くなってるって。杉山も甲斐野も良くなってるという感じは聞いてますけど。その辺は巨人戦に2イニングずつ行かせようかな、と」
――田中正義投手は先発で。
「巨人戦にはいかないと思いますよ。先発をイチからやってもらいますよ。本人も希望なんでね、これはね。中継ぎは毎日いつ投げるか分からなくて、緊張感を持ってやったらストレスがたまってくるらしい。面白いね。もともと、こっちは先発に戻そうと思ってたから、先発がしたいですって。中継ぎダメかって聞いたら、そういう感じ。毎日いつ投げるかわからん、そういう緊張感がたまったもんじゃないらしい。その緊張感が嬉しく思わないいかんけどね。みんな良く頑張ってるよ、ピッチャーは」
――杉山投手が初日から4日連続でブルペンに。
「そういう気持ちやってくれて変わってくれたら最高やけどね。昨日も最後まで残って、置きティーにボール置いてやっとったけどね。えらい遠いところだったから、わざと遠くにしているのかなと思ったから『これ正規の長さ?』って聞いたら『だと思います』って。23、4メートルあったから。楽しい人ですよ。野球選手は天然でいいんですよね」
――斉藤和巳コーチとは結構話もしている。
「和巳は上から解説でずっと見てて、こういうピッチャーかなって自分の中で思ってるのと、いざ中に入って、こういう性格ですよ、こいつはってのは、今やっていて、ああなるほどねっていうのがあるんじゃないですか。杉山の天然さとか、甲斐野のちょっとおちょけてるところとかね」
――和巳さんが入っていいスパイス。
「いい感じになってきているんじゃないかな。雰囲気的にもいいし、野手コーチもうまく話し合いながらやってくれているので、いい1クール目だったと思いますよ」