ソフトバンクは3日から宮崎・生目の杜運動公園で秋季キャンプをスタートさせる。2日に藤本博史監督をはじめ、選手、スタッフが宮崎入りし、早速、宿舎でミーティングが行われた。藤本監督は選手たちに“己への厳しさ”を要求。指揮官が語った一問一答全文は以下の通り。
――パドレスから選手とコーチが派遣される。
「何をするか分からないから。向こうから研修に来てるということなんで、こちらから何かするというのはないと思うので、何も考えていません」
――右の強打者が出てきてほしい。
「出てきてほしいのは毎年言っていることなんでね。これは選手自身が変わらないと出てこないと思います。今年1軍で若い選手はある程度、経験して、そこからギアをもう一段階上げようと思ったら、自分自身を変えていかないと。同じような練習をしていても、来年も今年と同じになってしまうんじゃないかと思う。ミーティングで王会長も『自分の心の中にある甘えを捨てろ』と言っていましたけど、そういうことだと思います」
――甘えを捨てるという中でどういうメニューや取り組みを。
「そこはコーチとコミュニケーションを取りながら、選手が迷いながらやるのではなく、これだと思うことをやってくれたらいい。選手が『変わるんだ』という気持ちでやってくれたらいいんじゃないか。自分の甘えを捨てることですね」
――変わった姿が終わった時に見たい。
「練習自体は14日間しかないんで、そこまで変われるかなというのはあるけど、秋は思い切ってできる。思い切ってやってもらって、納得してオフに入ってもらって体を動かしてもらう、そういう形になればいいんじゃないかなと思います。迷ったままオフに入られても、春来たら何してたんだってなってしまうから、春来た時にはしっかりと、一目置くような形になっていれば最高かなと思います」
――昨年は野村大、リチャード選手を強化指定に。今年は。
「残っている選手、若い選手には期待している。みんなほぼ1軍を経験しているんで、全員が強化選手じゃないですかね。レギュラー白紙と言ったと思いますけど、いろんなポジションをやって適性を見て、取れるところがあれば取るという気持ちでやってくれたらいいと思います」
――増田選手は外野が中心に?
「できるところをやって、適性を調べるっていうことですね。内野も外野もまだまだなんで、野村大もですけど。今さっきあった強化選手ってところで増田、野村大は守備ってところになってくると思います。当然、打つ方もしないといけない、両方しないといけない中で、まず守備が1軍のレベル、普通のレベルになってくるようにしないと、試合出場もできないと思う。代打だけでは本人たちも納得しないと思うし。レギュラーなら4打席あるわけですから。柳田にしても、中村晃にしても、今宮にしてもレギュラー取ってきているわけですから、そういうところをまず1軍レベルにしないといけないということじゃないですか」
――谷川原選手は。
「キャッチャーと外野ですよ」
――野村大選手は一塁と三塁。
「できるところはそこしかないですね」
――右の代打の育成も必要。
「右はいっぱいいますからね。野村勇も正木もいますから。どこまでプランって言うのか分からないけど、その中から飛び出してきてほしい。右の代打っていうか、まずはレギュラー取ってもらわないと。レギュラー争いから外れた人が代打になってくる。若い選手で最初から代打からってのはまずないんで。レギュラー争いから漏れた選手の中から代打になってくればいい」
――1年、シーズンを戦った上での秋のキャンプ。
「今年1年やって、投手も野手も、日本一になったオリックスとの差って、僕の中ではそんなにない。勝率も一緒だし。若い選手が出てますけど、ウチも出てきているなかで、何が違うといえば、投手は四球の多さ、野手は一発で仕留めることができなくて、王会長も言ってましたけど、ファウルが多すぎる、と。一発で仕留めるという質が良くならないと仕留められないし、ツーストライク後のバッティングですよね。オリックスはそういう粘りがあった。ウチは淡白になっていた。そういうところの差が縮まったら、おそらく逆転できると思う。その辺、秋のキャンプでやっていきたいと思います」