柳田悠岐の悔しさを和らげた子どもの存在 34歳誕生日に決めるファイナル進出

ソフトバンク・柳田悠岐【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・柳田悠岐【写真:藤浦一都】

シーズン終了後は子どもと遊んでリフレッシュ

■ソフトバンク 5ー3 西武(CSファースト・8日・PayPayドーム)

 ソフトバンクは8日、本拠地PayPayドームで行われた「パーソル クライマックスシリーズ パ」ファーストステージ第1戦で西武に5-3で勝利した。3回に価値ある3ランを放ったのが、主砲でキャプテンの柳田悠岐外野手だった。

 3回、周東佑京内野手の二塁打をキッカケに、三森大貴内野手の適時二塁打で待望の先制点を奪った。なおも2死二、三塁の好機で柳田がこの日2度目の打席に入った。追い込まれての3球目。西武先発の高橋が投じたスライダーは内角低めの難しいコースだったが、これを捉えて右翼ホームランテラス席へと運んだ。

 一気にリードを4点に広げる3ランに「追い込まれていたので何とかミートしようと思っていました。(先制直後の)3打点なので大きいと思います」と胸を張った。エースの千賀を立てて臨んだ初戦。一戦必勝を期しての試合で飛び出した一発に「みんなそう思っていたので、しっかり仕事ができたと思います」とキャプテンも安堵の表情だった。

 キャプテンとして1年間を戦ってきただけに、V逸の悔しさは人一倍あったはず。レギュラーシーズン最終戦の2日のロッテ戦後には目に涙を浮かべていた。それでも、この日のお立ち台では「シーズンは終わったこと。今日も終わったこと。明日また頑張ります」と気持ちを切り替え、先に視線を向けた。

 気持ちを切り替えられた要因の1つが、子どもの存在。レギュラーシーズンが終わり、2日間のオフ、そして3日間の練習期間があった。「ずっと家にいて子どもと遊んでいました。風船とかボールとか、いろんな遊びして。子どもがやりたいことがコロコロ変わるのでおもろいですよ」。空き時間は子どもと遊んで気分転換。優勝を逃した悔しさも、少し忘れることができた。

 10月9日に34歳の誕生日を迎える。この日の一発は、自らのバットでの前祝いにもなった。34歳の抱負は「変わらずいい1年にしたい」と控えめ。ファイナルステージ進出をかけて戦う第2戦は、家族や周囲からの祝福を受け、さらに大暴れしてもらいたいものだ。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)