ソフトバンクの明石健志内野手が24日、本拠地PayPayドームでのロッテ戦で引退試合を迎えた。7回に代打で登場すると、投手強襲の内野安打を放って号泣。試合後の引退セレモニーでも何度も涙で言葉を詰まらせ、最後はバク宙でのホームインを披露してファンの大歓声を浴びた。
――内野安打はらしい、鋭い当たりだった。
「ちょっと目が潤んでて、ちょっと見えなかった。ボヤッとしか見えなかったんですけど、良かったです」
――19年やってきて今日この雰囲気というのは。
「本当に多くのファンの皆様の前でできたのは嬉しかったですし、でも、19年で本当に後悔したのは今日のセレモニーだけ、スピーチだけです。それ以外はもう満足です」
――スピーチの中で言えなかったことは?
「いや、もう大丈夫です」
――打席に入る瞬間の歓声は凄かった。
「いや本当にホームラン50本ぐらい打ってんじゃないかなってぐらいの歓声をもらって、とても嬉しかったです」
――後輩たちが繋いでくれました。
「本当に優勝争いしてる中で、僕も経験ありますけど、疲れとかメンタルとか、相当1つのミスがやっぱり命取りになるんで、それで勝つか負けるかって結構決まることが多い。その中でああいう後輩たちがやってる姿とか、ましてや、もっと若い子たちがやってる姿を見て、熱くなるものもありますし、安心して、引退できるなって思いましたね」
――最後はバク宙も。
「ちょっと低かったですね。いや本当、なんかホッとしたら、体もちょっと痛いところとか出てきたりしてます」
――王会長や工藤前監督からも花束を。どういう言葉を。
「19年間お疲れさま、本当によく頑張ったって。セレモニー全然あかんかったですわ、全然駄目でした、緊張してヤバいですって言ったら『君らしくていいよ』と。2人ともから言われました。本当に難しいと思いましたよ。本当に僕、喋るのが得意じゃないので。はじめ言おうと思って、言って、あれこれ違うなと思ってからは、もう駄目でした」
――スピーチの練習は?
「いや練習はしてないんですけど、ある程度こういう感じで言いたいなっていうのは、いろいろなところでこう考えて頭の中で回していたんですけど、全然雰囲気が違ったんで、ちょっと無理でした。あれだったら試合の方がいいですね」
――ビデオメッセージには鳥越さんも登場。
「僕、千葉マリンでエラーした時、鳥越さんは2軍監督だったので、それで練習に付き合ってもらったり。泣かせたっていうのは、ナゴヤ球場で僕がバント失敗した時に、本当に近くから速い球を投げてずっとバントしてて、僕が悔しくて泣きました。できるわけがないんすけど、あんな速いボール」
――改めて今どんな感情。
「本当にこれで、引退セレモニーだけがうまくいってくれたら、本当に清々しい気持ちで帰れたんですけど、ちょっと19年でこれだけ後悔しましたよ。ヤバいですって。僕、本当に何言っとんやろと思ってましたもん」
――お子さんがフォローしてくれた。
「だからもうバク宙やるしかないなと思いましたね」
――今したいことは?
「家族との時間、ちょっとゆっくりして。腰が悪いのもあって、子供を抱っこするのもあんまりしてなかったんで、たくさんしてあげたいですね」