石川の登板日に少ない味方打線の援護…
ソフトバンクは7日、本拠地PayPayドームで行われた楽天戦に3-4で敗れた。先発の石川柊太投手が初回に1点を先行されると、5回、6回は四死球が絡んで1点ずつ失った。打線も8回まで楽天投手陣の前に1点止まり。9回に中村晃の2ランで1点差に迫ったものの、反撃も及ばなかった。
石川は初回、先頭の山崎に中前安打を浴びると、盗塁と一ゴロで1死三塁とされる。ここで浅村を追い込みながら、右前適時打を浴びて先制点を奪われた。5回には先頭の9番・太田に四球を与えると、一塁・三森のエラーで2点目を献上。6回も先頭・辰己への死球からピンチを招いて太田の適時打で3点目を失った。
右腕は6回6安打4四死球3失点(自責点は2)で今季9敗目(5勝)を喫した。「ランナー出してからね、石川もよく粘っていたんですけどね」と藤本博史監督。6回自責点3以内のクオリティスタートを達成し、先発投手としての役割こそ果たしたものの、なかなか勝ち星には恵まれていない現状にある。
その理由の1つは石川の登板時の援護点の少なさにある。この日、石川がマウンドに降りるまでに味方が奪った得点は1点。前回登板だった8月31日のロッテ戦は無得点だった。今季先発した20試合で援護が3点以内だった試合は18試合を数え、うち7試合は無得点、4試合は1点だけだ。
降板する6回までに先頭打者を出塁させたのは4イニング
もちろん援護できない打線にも原因はあるが、この日の投球は今季、石川がなかなか勝てない理由も示していたのではないだろうか。5回、6回の失点は先頭打者への四死球がキッカケになったもの。それ以外でもボール先行のカウントになることが多く、なかなかリズムを生み出せないでいた。
この日、石川が投げた6イニングのうち、先頭打者を出塁させたのは4イニング。一方で、6回途中までソフトバンク打線を1点に封じた楽天先発の辛島が先頭打者を出したイニングはなし。ちなみにソフトバンクが勝利した6日の試合で、先発の和田毅ら投手陣が先頭打者を出塁させたイニングは一度もなかった。
本来、石川の持ち味といえば、テンポの良い投球で生み出すリズムにある。ただ、投球のテンポが早くても、カウントを整えることに苦労し、先頭打者を塁に出した。いい攻撃に繋がるリズムを生み出すことはできたとは言い難い。今季の与四球48個はリーグ最多。ここにも波に乗り切れない要因があると言える。
「そこ(先頭への四死球)だけですね。3失点も1個はエラーですからね。粘りは見せてくれましたよね」と藤本監督は言う。粘りを見せ、最低限の役割は果たした石川。ただ、大黒柱の1人として“勝てるピッチング”を期待したいところだ。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)