チームを救うプロ初本塁打も笑顔なし… 鷹・佐藤直樹が反省ばかりだったワケ

5回1死満塁で見逃し三振、7回には走塁ミスと反省材料が…

 本来、嬉しいはずのプロ初本塁打。しかし、試合後の佐藤直の口からは反省ばかりが飛び出した。「次の打席は満塁で見逃し三振をしてしまったし、(7回裏の)走塁でも今宮さんのフェン直で(二塁から)生還できなかった。そういうミスがあったので、自分の役割をしっかり理解してチャンスを与えられたら頑張っていきたいなと思います」と語る表情は険しかった。

 藤本博史監督もホームランは称えつつも「振り回しすぎ。いいホームランだったし、四球は取っているけど、その他の内容がすべて悪い。走塁面でも今宮のライトオーバーでタッチアップに急いで入るという形も出た。勝ったからこそ、いいホームランが出たからこそ反省すべきところはしっかり反省してもらいたい」と苦言を呈するのを忘れなかった。

 もちろん、良い面もあった。6回には近藤健介の左中間への飛球を俊足を生かして好捕。守備で持ち味を発揮したプレーもあり「意外と流れて伸びていったので、結構走りました。捕れるとは思っていましたけど、ギリギリでしたね。今は守備と走塁で1軍にいるようなものなので、そこはしっかりしていかないといけないなと思っています」と語った。

 同期入団で切磋琢磨してきた柳町達外野手はレギュラーに近い存在にまで上り詰めている。柳町が新型コロナの陽性疑いで欠場となった一戦も、佐藤直にとっては大きなチャンスだ。ドラ1としての意地もあるはず。この日の一発を自信に変え、反省は次への糧として、外野のレギュラー争いに名乗りを上げたい。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)