10失点大敗にあった光明 鷹・田中正義、剛腕復活を支えたリハビリ中の気付き

藤本監督も高評価「1イニング完璧に投げてくれましたよ。強い球を投げてる」

 この日の右腕のボールには、藤本博史監督も目を細めていた。大敗の中での光明に「良かったよ。1イニング完璧に投げてくれましたよ。強い球を投げてるしね」と高く評価した。ファームでの連投テストをこなしていないこともあり、当初は5日間限定での1軍昇格だったものの、指揮官は「このまま残して、2連投させるようになるかもしれない。1回抹消して2軍でちょっと連投させてから、9月のアタマにもう1回こっちに呼び戻すか。その辺はまだ検討中です」と、含みをもたせた。

 今、投手陣は苦しい状況にある。又吉克樹投手が骨折で戦列を離れ、森唯斗投手が新型コロナウイルスの陽性判定で離脱した。先発陣にも離脱者が出て、中継ぎに入っていた武田翔太投手は先発へ。板東湧梧投手も先発へと回る予定になっている。ここから勝負の後半戦に入る。特に救援陣は疲労が溜まり、苦しい時期になっていく。“フレッシュ”な状態にある田中正がここに加われば、貴重な戦力となるのは間違いない。

「やりたい事は一貫して別に変えてはいないんですけど、それがようやく噛み合ってきた感じです。僕は一時期とは思ってないですし、連投もできるとは思っている。それをマウンド上で表現できれば、落ちずに済むと思う」と語る田中正。苦しい台所事情を救う、投手陣の救世主となれるか、注目の存在だ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)