変化球を使わないのか、使えないのか… 5回途中6四球と崩れた鷹・杉山の課題

藤本監督も苦言「変化球のコントロールをもっとつけないと」

 変化球を使わなかったのか、それとも“使えなかった”のか……。それはグラウンドの中にいる人間以外が知る由もない。ただ、指揮官の言う「ほとんどのバッターが真っ直ぐ1本で来てるんやから、変化球のコントロールをもっとつけないと。甲斐も変化球を投げさせようとするけど、なかなかその変化球もストライクが入らない。最終的には真っ直ぐでストライク取りに行った球を打たれるという形だからね」との言葉が杉山の課題を示している。

 杉山は150キロ台半ばの真っ直ぐが最大の武器。ただ、真っ直ぐを生かすためには、ある程度それを操れることが必須なのだが、そこは右腕にとって最大の課題だ。四球率5.23はソフトバンクの先発投手の中でも著しく悪い。さらに被本塁打数は10本に。チーム最多は東浜の11本だが、杉山の投球回は東浜の半分以下で、被弾数の多さも際立つ。

 前回登板の楽天戦でもそうだったが、相手打線から明らかに真っ直ぐを狙われている杉山。ベンチも、バッテリーを組む甲斐もそれは分かっているはずだが、それでいて真っ直ぐ勝負に出ざるを得ない状況にあるのだろう。

 ソフトバンクの先発陣は千賀が新型コロナウイルスの陽性判定を受けて離脱中。さらにファームで先発調整をしている笠谷俊介投手、大竹耕太郎投手も相次いでコロナ陽性となってしまった。8月下旬に7連戦、9月には11連戦が控えるが、藤本監督いわく先発候補は「杉山と板東しか今のところいない」。課題を突きつけられた右腕が一皮、二皮剥けてほしいところだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)