骨折してまだ1か月も「野球が出来ればそれでいいと思う」
ソフトバンクの三森大貴内野手が9日、タマスタ筑後で行われたウエスタン・リーグの中日戦で実戦に復帰した。「1番・二塁」でスタメン出場し、3打数1安打。初回の第1打席で左腕の笠原から左中間に落ちるヒットを放った。第2打席は左飛、第3打席は投ゴロに倒れたものの、骨折の影響を感じさせないフルスイングも見せた。また、二塁での守備機会も難なくこなして4回でベンチへ退いた。
7月10日の日本ハム戦で左手親指を骨折していた三森。「左第1指基節骨骨折」で全治3か月程度と診断されていたものの、わずか1か月で実戦復帰にこぎつけた。同13日にリハビリ組に合流して以降は徐々に練習の段階を上げ、同29日にはフリー打撃を再開させていた。
復帰戦を終えた三森は患部の状態について「問題なく出来たのでよかったかなと思います」と安堵した。まだ完治したわけではないが「自分で動かしている感じも、そんなに(時間は)かからなそうな感じはしたので。野球が出来ればそれでいいと思うので、という感じですかね」と淡々と振り返った。打撃、守備面いずれも左手親指が気になる動きはなかったという。
三森が離脱して以降、チーム内では他にも新型コロナウイルス感染や怪我で離脱者が相次ぎ、苦しい状況が続いた。三森自身も「僕自身ももっと1年間出続けたかった」と歯痒さを感じながら、1軍の戦況を見ていた。「やってしまったことは仕方ない」と気持ちを切り替えたものの、やはり1軍で出続けることこそがプロ野球選手としてあるべき姿だと痛感した。
「身体的なところもそうですし、メンタル的なところもそうですけど、少しずつズレか生じて、なかなか1年間戦うことが出来ない、というのが1番痛いと思うので。それをできる選手がいい選手なので、そうなりたいと思います。その難しさを知ったというか」と胸中を明かす三森。今季リードオフマンとして成長し、試合に出続けていたからこそ、克服すべき課題も見えていた。
約1か月ぶりの実戦にも、小久保裕紀2軍監督は「脚が動けていたから、やっぱり(復帰も)早いんでしょうね」とブランクは感じなかったよう。「上半身自体はそんなに意識せず、下半身を意識しながらバッティングも守備もやっていたので、あまり変わらずに。特に下半身をやるということも無く、今まで通り過ごしてました」。リハビリ期間中も変わることなくトレーニングが出来ていたという。
今後はしばらく2軍戦での実戦出場を積んで状態を上げていく見込みで、8月10日の2軍戦にもスタメン出場する予定。三森は「1軍でやるのが全てだと思うので、しっかり結果を残して1軍の力になれるようやっていくだけかなと思います。まだこれから試合も残っているので、そこに向かって出来ることをやれればいいかなと思います」と、早期の1軍復帰、1軍での貢献を見据えていた。
(上杉あずさ / Azusa Uesugi)