3日のオリックス戦で1回1安打2奪三振で無失点だった田中正義
ソフトバンクの田中正義投手が3日、タマスタ筑後で行われたウエスタン・リーグのオリックス戦で今季2軍公式戦初登板を果たした。5点リードの9回に登板し、1回を1安打無失点。2者連続で3球三振を奪い、登板後には「良かったと思います」と手応えを口にしていた。
今季はキャンプからアピールに成功し、開幕ローテーション入りを確実にしていたが、開幕直前に右肩痛を発症してリハビリ組へ。その後、状態は一進一退で、結果的には実戦復帰まで3か月以上を要することになった。
7月17日の3軍戦でようやく実戦復帰し、1回を3者凡退に封じた。先月末には2軍に合流し、7月30日にロッテ浦和球場で行われたロッテ2軍との練習試合に登板。この日も1回無失点と好投した。最速は153キロだった。
「浦和でも良かったですし、手応えはあるので、もう前だけ見て頑張ります」と田中正。思った以上に長くかかってしまったリハビリ期間を振り返り「情けないというか、情けないんですけど、もう終わっちゃったんで。過去は取り戻せないので、明日もまた1日1日を頑張ることの連続でしかないですね」と前だけを見据えている。
思うように投げられず、苦しい時間は長かったが、やはり持っているものは一級品だ。3日の登板での最速は150キロだったが、打者が真っ直ぐに振り遅れるなど球速以上のキレが感じられた。田中正自身も「もう少し出ると思ったんですけどまだまだです。もっと出ると思います」と、出力の面でも伸びしろを感じている。
小久保裕紀2軍監督によると、1軍からは中継ぎで準備するよう要請されているという。「終盤、8月の終わり、9月で(1軍が)疲れてきたときに、元気のいい球で抑えられるというところを作っておかないといけないと思うので」と小久保2軍監督。次回は鳴尾浜での阪神戦に登板予定。シーズンも後半戦に突入したが、困難が続くホークス。田中正のここからの巻き返しに期待がかかる。
(上杉あずさ / Azusa Uesugi)