9回に追いつかれて5勝目は逃すも、8回1安打無失点の好投
■ソフトバンク 3ー1 楽天(18日・PayPayドーム)
つかみかけた白星は、またも消え去った。18日にPayPayドームで行われた楽天戦。ソフトバンクの先発マウンドに上がった大関友久投手は、楽天打線を相手に8回を1安打無失点に抑える好投を見せた。9回にモイネロが同点に追いつかれ、3試合連続で勝ちを逃したものの、チームが延長10回サヨナラ勝ちを収めたことで大関は「チームの勝ちに繋がる投球ができた」と満足気な表情を見せた。
この日の大関は、序盤にややバタついて球数を増やしたものの、3回以降は見事に立ち直った。4回には相手の中軸を3者連続三振に斬る場面も。8回まで113球で投げ切り、被安打1の無失点に抑え「いい投球ができたと思いますし、チームが勝つことができたので良かったです」と淡々と振り返った。
交流戦では若い渡邉陸捕手と3試合続けてバッテリーを組んだ。先輩である大関が渡邉陸を引っ張る形で好投につなげた。この日は4試合ぶりに先輩の甲斐とのバッテリーに。試合前からしっかりとコミュニケーションを取りながら、左打者がずらりと並ぶ楽天打線に向かっていった。
「『今日はやるぞ』という気持ちになった」という甲斐の言葉とは…
これまで左打者の被打率が3割を超えるなど、右打者に比べて苦手としてきた大関は「投球の幅が狭くならないように、右打者と同じように両サイドをしっかり投げていこう」と対策を立てて臨んだという。ただ、そんな具体的な対策以上に、大関を奮い立たせた言葉があったという。
「甲斐さんが『お前が投げたいボールがあるんだったらそれを選択していいから、2人でいいピッチングを作り上げていこう』と言ってくださったので、心強かったし『今日はやるぞ』という気持ちになれました。実際に『こっちの方がいいんじゃないか』と思う時には、自分から首を振らせてもらいました。ただ、ベースは引っ張ってもらう形なので、そこは前よりもいい形のピッチングになったと思います」
藤本博史監督は「本当に素晴らしいピッチングを見せてくれた」と絶賛しつつ、9回に送り込んだモイネロで同点に追いつかれ「何とか勝たせたかったけど。9回はモイネロで勝負をかけたんですけど、大関には申し訳なかったと思います」と謝罪した。
ただ、この日は8回無失点。今季を通しても防御率2.19と安定したピッチングを続けており、指揮官は「左の大関と和田はずっとゲームを作ってくれているし、本当に頼もしい存在になってきていますよ」と、大ベテラン左腕と並べるほどの高評価を与えている。ローテの一角を担うに相応しい投球を披露している大関。チームからの信頼があれば、きっといつか白星もついてくるはずだ。
(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)