“無双状態”の村上宗隆をどう攻める? 鷹・藤本監督の試合前コメント全文

ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】

2試合欠場の今宮がスタメン復帰「今日は出ます」

 ソフトバンクは12日、本拠地PayPayドームでヤクルトと交流戦最終戦を戦う。試合前の藤本博史監督は2試合欠場していた今宮健太内野手のスタメン復帰を明言。2試合続けて決勝弾を浴びた相手の主砲・村上宗隆内野手への攻め方などについても言及した。

 藤本監督の試合前の一問一答全文は以下の通り。

――今日は交流戦最後なので総力戦。
「いつも総力戦ですよ」

――明日からは4日間空く。
「だいぶ疲れがきているんで、この4日間でしっかり、17日から万全に行けるように2日間は休みます」

――今宮選手の状態は?
「今日は出ますよ。今日、最後1試合だから。僕は休ませたかったけど、本人も交流戦最後だから行きたいということで、トレーナーからもOK出たんで。今日出て4日間空いて、また17日から万全でいけるかっていうところを話し合って、本人もそこは大丈夫です、と。腫れの方もだいぶ引いてる」

――デスパイネ選手、牧原大選手、今宮選手辺りの状態がいい。その辺りをくっつけるイメージか。
「くっつけるイメージっていうか、当然、相性もありますからね。打線というのはそう簡単にヒットが続くものでもないと思う。打線の核になるのが今はデスパイネで、4番に入ったらその前で何で塁に出させるとか、あるいは、デスパイネ、グラシアルを並べてしまったら大量得点になるかもしれないけど、0点に抑えられることもあるわけですよね」

「打線のバランスっていうのは当然あるんで、そういうのを考えながらバッティングコーチと話し合いながら打線を組んでいるんで。調子がいいからといって、3人を並べるってことはないと思いますよ。やっぱり1番は1番の役割がある。2番は2番の役割がある。6番には6番の役割がある、と打順によって役割があるわけですから。誰でも3番、4番、5番を打てるわけじゃない。そういうのは考えながらやっています」

前日、本塁打打った野村勇に代打を送ったのは「右ピッチャーの逃げる球に結果が出ていない」

――今日も左投手が先発。
「話の前に言うと、昨日も今日も左投手で、牧原大や周東が調子いいと言っても、牧原大は左投手を1割しか打っていない。そういうところのデータが全部出ているので、相性だけじゃないんですよね。左対右は当然あると思うし、左右が関係ないバッターもいる」

「昨日、牧原大は左から打っている。左ピッチャーでも打ちやすいピッチャーはいる。左対左だったら球種が1個減る。チェンジアップが投げられないからね。ウチの投手でもいるけど、そういうふうに球種が1個減って、入りやすい左ピッチャーもいるわけです。そういうのがデータでもある程度分かっている。だから、こう並べるっていうのは、調子がいいから左バッターを3人並べるとか、そういうのはなかなか難しい」

――昨日は松田選手が打った。
「打ったら使いますよ。マッチも左右は関係ないからね。ただ、右やったら左のこっちのバッターの方が相性がいいから使っているっていう形。左でマッチが晃の代わりに出て2本打ってるんで、今日も使いますよ」

――野村勇選手も昨日は特大弾。
「使いますよ。打ってる人は使いますよ」

――野村勇選手の飛ばす能力。
「パンチ力はありますよ。だから本当は、ずっとレギュラーとして使っていきたいですよ。ただ、なかなか同じレベルの選手が多いんで、そこで頭一つ抜け出してないというところが、やっぱり出たり出なかったりということになるんじゃないかな」

「勇の場合は足の方でも使えるんで、試合後半に。勇のおかげで3試合ぐらい勝っている、足だけでね。そういうところはやっぱり貴重な選手だと思いますよ。アタマからも行けるし、最後の大事な場面の走塁の1番手。周東が出てたら野村勇、野村勇が出ていたら周東という形になってくるんじゃないかな。今日は周東は後になりますけどね」

――ホームランの後は三振とライトフライ。その後は代打も出された。
「課題は右ピッチャーですね。右ピッチャーの逃げる球。右のカットボールを投げるピッチャーとか、ちょっと速い系のスライダーを投げるピッチャーというところには結果が出ていないですね。左ピッチャーの入ってくる球に対しては結果は出てます。左ピッチャーではチェンジアップが課題ですね」

「当然、右ピッチャーを打つのが課題なんですけど。右でも真っ直ぐには強いですよ。ホームランも5本打っていたら、相手も長打を警戒してきて、当然、後半は攻め方も変わってくるはず。今のところは入ってくる球は何とか対応できるし、結果も出てるんじゃないかなと思います」

村上の内角を攻められないのは「甲斐はそこに投げてもらいたいけど…」

――和田投手はまたかなり飛ばしていく。
「もう飛ばすだけ飛ばしてくれたら。向こうは村上くんが無双の状態やからね。こっちは1番、要警戒って言ってるんやけど、警戒しているにも関わらず、ホームラン3本、2試合とも村上くんの決勝弾。そこはもうちょっとバッテリーで考えてもらわないと」

「バッテリーコーチとも昨日話し合ったけど、攻めたフォアボールでいいんじゃないのって。要注意じゃないから、警戒だから。ヤクルトがバランスがいいのは、やっぱり村上に溜めて回そうというところ。この2試合だけどね。そういう風な形になって、打たれているわけだから、攻めたフォアボールはいいんじゃないの、逆に逃げたフォアボールだと打たれるんじゃないのっていう話をしました」

「今日の相手の高橋くんも、この前の西武戦で山川に対し、もう厳しくインコースどんどん投げている。そういう攻め方を村上にできたら最高じゃないのって。それでフォアボールならOKじゃないのと。どこでも核になるバッターはそうやって攻められているわけだから」

「うちの柳田でもそうですよね。昨日もインコースばっかり。そこを見せられて、結局そこが伏線じゃないけど、意識がいって、緩急でやられているケースが多いからね。村上を抑えるためには、そういう攻め方が必要じゃないかなと。当てろとは言ってないからね。球界の宝だから当てちゃいけないですけど、攻めて攻めての四球でいいんじゃないのっていうということです」

――この2試合はそこまでインサイドを攻められていない?
「甲斐はそこに投げてもらいたいけど、ピッチャーがそこに投げられていない。だからインコースは危ないかな、と外に構える。インコースに構えたら、真ん中に来る。昨日の嘉弥真なんかも外に構えて、真ん中、内に来てるんだからね。それも最初に大きなファウルを打たれたのが伏線になっているんじゃない。甲斐のリード的にはね。だから攻めた方がね」

「インコースのボール球をホームランにはできないでしょう。外のボール球は踏み込んでホームランにできるでしょうと思う。遅い球より速い球っていうね。千賀の速い球もホームランされていますけどね、今、無双だから、本当に攻め方って難しいと思いますよ。本当、ヤクルトはバランスのいい打線ですよね。ピッチャーもそうだし、強いよ。ただ、今日は交流戦最後だから、一矢報いて明日からの休みに入りましょう」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)