藤本監督を悩ますジレンマ「ポジションは1個しかない」
ソフトバンクは11日、本拠地PayPayドームでヤクルトと対戦する。「タカガールデー」として行われる一戦は大関友久投手と渡邉陸捕手のバッテリーがスタメンで出場。藤本博史監督は、この日1軍に合流した正木智也外野手もスタメン起用することを明言した。
試合前の藤本監督の一問一答は以下の通り。
――今日は左投手。オーダーはだいぶ変わる。
「だいぶ変わったね。1番谷川原、2番川瀬、3番海野だったかな……。嘘よ。あんまり変わってないよ。正木が状態いいってことで、今日はセンターで7番ぐらいで使います。あとは本当に打線の繋がりっていうのがね、あと1本が出ないんで。あれやこれやいろいろ考えてやってるけど。ジュリ(グラシアル)とデスパイネをくっつ付けるのはちょっと難しいから、間に牧原(大)を入れて、野村勇が2番。マッチが8番、渡邉が9番。あとは一緒。と言っても、あとは柳田、デスパイネ、ジュリ、周東くらいか」
――正木選手は2軍からも状態いいと。
「昨日初回からずっと見ていたけど、追い込まれてから肩口のカーブをサードライナーにしたのはいい当たりだったし、次は2ラン打ってるし、そのあとは見られなかったけど、もう1本打って打点挙げていたし。やってくれるんじゃないかな、起爆剤として」
――正木選手も使い続けたい選手。
「ポジション的なところやね。渡邉陸も上がってきて2打席連続本塁打打って、本当は使いたいですよ。ただ、ポジションは1個しかないんで、キャッチャーは。外野のポジションもセンターしか空いてない。柳町も17日に帰ってきますからね。結果をずっと出し続けてくれないと使い続けられないよね」
「柳町も最初はそういう形で結果を出して、上林や栗原の怪我があって、その少ないチャンスをモノにしているわけだから、そういう意味じゃ、結果を出してくれないと使い続けられないよね。打つだけじゃなくて。センターを守れるのか守れないのかというのもあるし。実際、柳町のセンター、正木のセンターってのは上林、あるいは周東、牧原(大)に比べたら、守備範囲は当然落ちるわけですからね。野球は打つだけじゃないから。チームバッティングもやってもらわないといけないし、全体的にできるようになったら、レギュラーという形になるんじゃないかなと思う」
「昨日のホームランは駄目だけど、いい反省点だったんじゃないかな」
――正木選手のバッターとしての特徴というのは。
「やっぱり思い切りがありますよね。積極的にバットを振っていける。2軍でもそれで結果を出して、上がってきてるわけだから。若い選手は層が厚いからね、使い続けるのは本当難しいんですよ。結果をずっと続けてくれないと、当然もうデータで出てきているんでね。相性も出てきているし、本当にこれはもう結果ですね」
――大関投手と渡邉選手のバッテリー。注意する打者は山田と村上。
「村上は注意というより警戒やね。攻めて四球はOK。あとは塩見と山田が注意というところでしょう。この3人をしっかり抑えることによって、得点源が減るんじゃないかなと思います」
――警戒というのは最高レベル?
「最高レベルですね。千賀のボールを逆方向に打てるんだから、絶好調でしょう。山田の場合はあれだけ真っ直ぐ続けたら、打たれるのは当然かもね、千賀の後のピッチャーだから。千賀が150キロ後半投げている中で、藤井の真っ直ぐだったら速く見えないよ。そういうのもキャッチャー的には考えていかないといけない。渡邉陸は今、勉強中。将来レギュラー取ろうとしてるキャッチャーなんで、ここで痛い目にあった方が勉強になる。昨日のホームランは駄目だけど、いい反省点だったんじゃないかなと思います」
――昨日マスクを被ったことで、今日またそれを生かす。
「今までは怖いもの知らずでいっていたけど、昨日の一発で、ああいうところは駄目なんだっていうのが分かってくれたらそれでいい。みんなそれを経験してきているんだから。いきなり今年2軍のレギュラーとしてマスク被ってきて、去年は2軍でもほぼ被っていない。出たり出なかったりだったから。それが今、1軍でマスク被っているんだから、それはリード面も変わってくると思う。頭を悩ますと思いますよ。それが勉強ですからね」
――今宮選手の状態は。
「今日も上がりですよ。無理はさせないです」
交流戦終了後に野手3人が降格「良い結果を出せば、当然残れる」
――野手が多めになっている。後半戦は16人に戻す?
「それじゃピッチャーを入れられないですから。今はピッチャーの枠で入ってるだけやから。疲れも来てるし、今宮の脚もあるし、今、抹消したら楽天戦に間に合わない。柳町も17日に帰ってくるわけですから、今19人で3人は落ちないといけない。今日、正木が上がってきて、この2試合おそらくスタメンで行くだろうから、良い結果を出せば、当然残れる。そういうところが競争じゃないですか」
――チャトウッドが帰国。
「検査でしょ。しょうがないよね、投げられないんだったら、今いるメンバーでやるしかないんで」
――大関投手はかなり安定して試合作れるようになってきてる。
「今は東浜と大関が1番安定してるんでね。やっぱりゾーンの中で勝負できるってことですよね。フォアボールもあまり出さなくなったし、球は元々強い球を投げられるんでね。あとはコントロールというところが良くなってきたんじゃないかなと」
――考えすぎてしまうところ。
「そこも柔軟に、この2試合は渡邉陸と組んで、逆に自分がリードしてやるような形でマウンド上がってるんで、そこがいい結果になるんじゃないかなと思って。引っ張る気持ちも当然出てくると思います」
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)