打順テコ入れの意図と注目の並びは? 鷹・藤本監督の試合前の一問一答全文

ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】

4番にデスパイネを起用、グラシアルは6番に

■ソフトバンク ー 阪神(交流戦・9日・PayPayドーム)

 ソフトバンクは9日、本拠地・PayPayドームで阪神と交流戦を戦う。ここ数試合、打線が低調で、藤本博史監督は打順のテコ入れを明言。アルフレド・デスパイネ外野手を4番に据え、開幕から4番に入っていたジュリスベル・グラシアル外野手が6番へ。指揮官が試合前に語った一問一答は以下の通り。

――レイ投手が先発で外国人枠は。
「今日はガルビスを外します。外国人枠で試合に出られないから。今日デスパイネがDHで出るからね。だから、レイが投げたら入れるところもないんで、ベンチから外れるのはガルビスです。明日は入れますよ」

――感じは良くなっている。
「良くなってますよ、タイミング的にはね。ただヒットが出ていないだけで、明日もまたスタメンで使いますよ。今日はちょっとしょうがない。ちょっと落ち込んでないかな。すぐ表情に出るから。寂しそうな顔するからね」

――デスパイネの調子がいい。
「打席数が少ないんだけど、バットはしっかり振れているんで。今日は4番で使います。ちょっとグラシアルが打点が少ないというところもあるし、柳田と離そうかなと。そこに入れるのはデスパイネしかいない。グラシアルかデスパイネしか4番は打てないんで、現状だったら。ずっとここまで来て点に絡んでいないから、当然、得点もしてくれているし、貢献もしてくれているんですけど、ここ最近打線になっていないんで。ちょっと1回、起爆剤でデスパイネを4番に入れようかな、と」

――デスパイネとグラシアルは並べる?
「並べないです。5番には繋ぎで中村晃を入れて、グラシアルを6番にして、7番に調子のいい今宮ですね。1番、2番には足の速い選手、周東、牧原(大)で。三森は1番でずっと使いたかったんですけどね。ちょっと昨日4打席見たときに、ちょっとしんどいかな、と。外したら余計に次出た時、プレッシャーかかるしね。だから、今日は8番セカンドで使わせてもらいます」

「そこで状態を上げてくれたら、また1番に戻ればいいんですからね。ちょっと3日ぐらい外した方がいいんじゃないんかなとか思ったりもしたんですけどね。それだと2軍で調整させた方がいいんじゃないかとなってくるしね。エスカレートしていったら困るから。ここまで引っ張ってきてくれたんだから、試合の中で状態を上げて、1番に帰ってきてくれる感じがベストじゃないかと思う」

3番柳田はシーズン通して不変「3番柳田というのはもう絶対変えない」

――グラシアルは打点が少ない。
「打率は2割8分くらい打ってますからね。得点圏に弱いようなバッターじゃないんだけど。僕がバッティングコーチだったときとか、3軍監督やってる時の映像を見てるときに比べたら、ちょっとボールが中に入ってきてるよね。今までだったら、もっと引っ張れていたものが、中に入ってる分、打球方向でちょっとこっち(ライト)に来てる。そういうところも影響してるんじゃないかな」

「年齢とともにね、自分の感覚と少しずれてくるから。まだ老ける年でもないから、そこを修正すればもっと打てるんじゃないかなと思うんです。会長からももっと引っ張っていいんだよっていうことを言われてましたけどね。本人は逆にいろんな来る球を全部打ちたいっていうのがあってやってるのかも分からないけど、率的には2割8分そこそこ打ってるんで、状態が悪いとは言えないからですね。ただ、ここっていう時の怖さがもうちょっと必要かなとは思います」

――強引になりすぎないというのも良さ。
「ライトにもホームラン打てるし、昨日も大きい当たり打ったけど、ああいうのがホームランになるっていうのがあるんですけど、そこで打ち損ねてる部分が少しあるかな。思ったよりも差されている、自分はココで打ってるつもりなんだけど、少し入ってるとか、そういうところじゃないかなと思う。今の状態で上げていくしかないと思うんで。シーズン中にバッティングフォームがどうのこうの、軌道がどうのこうの言えないんで。そういうのはオフの間にやることなんで」

――打線に変化をつけるタイミングだと。
「前半は変えたくなかったんですよ。交流戦残り4試合が終わるまでは変えたくなかったんですけど、ちょっと、ビジターでピッチャーが打席に立つところあたりから、少し何か打線が線にならないなっていうのはすごく感じてて、状態の良い選手を1番、2番に置こうかな、と。3番柳田というのはもう絶対変えない、1年間変えないつもりでいますから、4番もデスパイネかグラシアルしかいなかったんで」

「デスパイネが上がってきて、すごく状態が良かったら、グラシアルに替わって4番に入れるし、悪かったらグラシアルが4番、デスパイネが6番でもいい。その2人は絶対に並べないっていうのは当然考えている。できれば、グラシアル4番、デスパイネ6番が一番ベストなんですけど、今の状態を見比べて、デスパイネの方が相手は嫌がるんじゃないかなと。相手の嫌がることをしないとね。1番出ても、2番、3番の状態が悪いからいいよではなくて、柳田も今しつこくしつこくなってきて、4番はデスパイネか、嫌やなって。そういうふうなイメージを与えたいなという思いでいますよね」

「2アウトで一発打たれるなら、フォアボールでもいいんです」

――リーグ再開を見据えると、ここから。
「絶対にこの状態で終わることはないと思うんで。チーム打率は2割6分そこそこあるけど、やっぱり得点圏打率を上げていかないと打線にならないと思うんですよね。だからその辺はしっかりと、この交流戦終わった後もやっていきたいと思います」

――柳田選手への攻め方は変わる?
「そこは変わらないでしょう。やっぱり柳田を一番警戒して投げているんじゃないですか。グラシアルが4番、デスパイネが4番だからって、柳田への配球が変わってくるってことはないと思います。やっぱりいいバッターにはね、ウチでもそうですよ、昨日の佐藤とか大山、この2人はもう本当に警戒ですよ」

「言い方は悪いけど、2アウトで一発打たれるなら、フォアボールでもいいんですよ。攻めた四球ならいい、ということをいつもミーティングでやっているんで。各チームにそういうバッター、セ・リーグは特にいますよね。DeNAだったら宮崎とか牧とか佐野とか、巨人だったら岡本。各チームに2、3人良いバッターがいるんで、その辺を警戒していかないと。パ・リーグでもそうだけど、山川とかね。山川には勝負したフォアボールはいいよっていうような大胆な攻め方をしないと。今、柳田は大胆な攻め方をされてるってことですよね」

――ウィルカーソンに関してのイメージは。
「対戦がないんで、映像しか見てないんでわかんないけど、前回の日本ハム戦で2点、2点、3点と点取ってたけど、あれは参考にならない。おそらく調子の1番悪い状態でやられてると思うんで。その前も少し打たれていたけど、ゾーンを上げていかないと、低めの球というのは注意ですね。捨てて、高め高めでゾーンを上げていくしかないんじゃないかなと思います。左右のデータもほぼ2割3分前後だと思うんで。高めの球来たら、どんどん行けっていう形でいけばいいんじゃないかなと思いますけどね」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)