期待の渡邉陸で「まだ冒険できない」 鷹・藤本博史監督の試合前コメント全文

ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】

8日は三森がスタメンに復帰、柳田が指名打者で出場へ

■ソフトバンク ー 阪神(交流戦・8日・PayPayドーム)

 ソフトバンクは8日、本拠地PayPayドームで阪神との交流戦に臨む。前日の試合に敗れて3連敗。仕切り直しとなる一戦では、前日スタメンを外れた三森大貴内野手が復帰する。

 試合前、藤本博史監督はこの日のオーダーや外野手登録が3人しかいない現状、期待が大きくなっている渡邉陸捕手の起用プランについて語った。藤本監督の一問一答は以下の通り。

――三森選手は。
「今日は三森は出るよ。昨日はリフレッシュさせただけだから。気持ちを整理させてというところ。ここまで1番で引っ張ってきてくれているから。そういう意味で休ませただけだから。1番で」

――下位打線とかではなく?
「使うなら1番で使いますよ。下位打線にやったら、去年と同じじゃないですか。それで上がってきたかと言ったら、上がってきてないわけだから。1番を打って、試合にずっと出て疲れもあるだろうから。そこはちょっと考えながら、休ませて使う、休ませて使うということで」

「当然、相手投手との相性というか、交流戦は相性はあまりないんだけど、こういう投手に対してどうかな、というのをこちらで判断して、休ませたり使ったりやっていく。ある意味で牧原(大)はジョーカー、ジョーカーと言ってきたけど、周東もジョーカー的な存在になってきている。どこでも守れるし、こちらとしてはありがたい。使い勝手のいい選手。いつでも行けるよというところで控えてもらう。今日は周東があとから」

――ジョーカーが2枚に。
「あと1枚欲しいね。野村勇あたりがなってくれたら最高なんだけどね。ちょっと外野手のところも柳田も、肩の方で疲れがあって、今日はDHで使う。そういう意味では外野のジョーカー的な牧原大、周東がいて、そこに野村勇も入ってきたら最高かな」

2度のスタメンマスクで結果を出した渡邉陸は「怖いもの知らず」

――現状、外野手登録は3人だけ。
「できるのは野村勇と周東、牧原大。周東も内野手登録でしょ。この3人ができるんでね、元々、野村勇は社会人時代から(外野を)やってたっていうこともあるんで、そこも練習してもらうし。渡邉陸が外野をできたら一番いいけど、彼はできないんで。これはもう去年2軍で試して、はっきりわかっているんで。(外野の練習も)やってくれと言っていますよ。万が一のことを考えたらね」

「いつも言うように、終盤のピッチャーというところになったら、今なら当然、甲斐が1番手、2番手は海野。甲斐のところで7回に代打いきました、そのあとに渡邉陸が8回、9回といけるかって言ったら、そこまで冒険はまだできない。今から渡邉陸が経験して勉強して。まだ今怖いもの知らずでリードしてるところがあるんで」

「大関の2試合でマスクを被ってますけど、いいリードしてますよ。ただ、怖いもの知らずですからね。甲斐とかはそういうところを経験してるから。海野も2軍でだいぶマスクを被って経験して、失敗もしてるんで。失敗しながらやらなくちゃ、うまくならないんですけど、なかなか勝ちゲームのところでは、その失敗はチーム全体に響いてくるんで。渡邉陸がいくんだったらアタマからということで大関と組ませている。後ろは難しいでしょう。インサイド、インサイド、インサイドでいけますか。8回、9回に」

「でも甲斐からすれば、そういう渡邉陸の怖いもの知らずのリードを、もう少し『あれいいな』とも思ってくれたら、もっと幅広く引き出しが増えるんじゃないかな。この間の大関と組んだときの中日戦なんか、7、8、9回とインコースでポンポンと三振取ったでしょ。ああいうのが見られないでしょ、甲斐にはね。怖いもの知らずやなと思うだけじゃなくて、そこをもう少し自分の中に取り入れたらもっと幅広いリードできるんじゃないかな」

「甲斐のリードが悪いってわけじゃないですよ。オーソドックスなリードをするんですけど。あまり偏りすぎたら、相手にも狙われてしまうので、そこはいろいろな話しながら、渡邉陸の場合はこれから経験して、並びかけてくれたらいい」

――相手は西投手です。違う西ですが。
「去年ウエスタンでずっと投げていて、ある程度分かっている。真っすぐとフォーク。フォースラですけどね。真っ直ぐも真っスラですけどね。率的には右の方が打っているんですけど、去年、一昨年は違うと思う。やった感じは左の方が入りやすいんじゃないかなって、僕の中ではそういう感じ」

「今日も話してオーダーを決めさせてもらいましたけど、今日はファーストで明石を使って、ライトに(中村)晃を持っていって、2番に牧原(大)、1番に三森、(3番からは)柳田、グラシアル、明石。晃をちょっと7番に。6番、7番に案外チャンスが回ってくる。そこで打点を稼いでもらう。5、6、7のところをちょっと考えようか、と」

ガルビスは8番で起用「本当は彼に2番打ってもらいたい」

――ガルビスは?
「ガルビスは8番」

――ガルビスの実戦で見た感じは?
「まだ分からないね。昨日もライト前とフォアボール1個選んでるけど、開幕当初に比べたら、だいぶ日本のピッチャーに対して入ってこれている、タイミング取れ出してるんじゃないかなとは思います。ただ、まだまだ、本当は彼に2番打ってもらいたいんですよね。そこにハメるっていうのはまだ冒険かなと」

――短く持ったり工夫も見える。
「そういうところはよくなってきたところ。ただデスパイネも状態は悪くない。代打の一番手に置いておかないと。代打は当然、甲斐のところであるし、ガルビスのところもあるかも。左が多いんですけど、阪神は左が3枚入っていて、チャンスだったらデスパイネを当然考えている。DHで使うのが一番ベストだと思いますよ。ただ、柳田のところも考えてね。今日は代打で、明日はDHに入ってもらって。明日はレイだから1人外さないと。枠があるからね」

――ガルビスとは話は。
「『頑張れよ』と。バットを短く持ってたね。それはいいことじゃないの。ホームランバッターじゃないからね。日本の野球に溶け込もうとしてる姿じゃないかなと。あれで確率を上げてくれたらこっちはありがたいですよね」

――速い球が課題。
「半速球は何とかできるんですけど、速い球に対してどうかなと。ただメジャーで速い球打ってきてるんだからね。日本のピッチャーより球は速い。それなのに速い球に対応できてないというのが、ちょっと心配なところ。今日のピッチャーは強い球を投げる。それにどれだけ対応できるかな。明日1人外さなきゃいけないんですけど、誰を外さないといけないかというのは今日のガルビス次第」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)