2軍戦でプロ初完封 鷹4年目・奥村政稔の快投呼んだ小久保2軍監督からの助言

2児のパパ「『よかったね』とか『明日もお仕事頑張ってね』と言ってくれる」

 また、無四死球にも非常に大きな手応えを得た。「コントロールが悪いイメージがついてると思うんですけど、そこは嬉しかったですね。球数もいつも5回で100球近くいってたんですが、今日は9回で111球だったので」と奥村。この日は風があり「(打球が)上がっても長打はないと思った」。多少甘くなってもフライアウトで打ち取るイメージが持てた分、大胆に攻めることができた。天気も後押しし、やりたかった投球ができた一戦だった。

 小久保裕紀2軍監督は「今年で1番」とこの日の投球を高く評価した。1軍への推薦の鍵となるのは“継続”。「1回だけじゃ駄目だと思うんで」と更なる奮起を促す。現在は2軍で先発登板を続けているものの、先発でも中継ぎでも対応できるのも奥村の良さ。「投げれるところがあればどこでも投げますよ。結局上で投げないと何の意味もないので。家族もいる。どれだけ上で投げられるか」と言う。

 この日は父と姉の家族が応援に駆け付けており、目の前で最高の結果を届けることが出来た。2児のパパでもある奥村は、子どもたちにも毎日、力をもらう。「良かった時は『よかったね』とか『明日もお仕事頑張ってね』と言ってくれる。可愛いし、力になる」と目尻を下げる。試合後の“若鷹スピーチ“では「ここ最近、3回とか4回でマウンド降りることが多くて、中継ぎの後輩たちに結構やかましく言われてたんで、今日は1人で投げ抜けて良かった」と笑いを誘った。

 後輩たちに慕われる右腕は、完封後にロッカールームで“胴上げ”されたという。奥村の好投がチームの雰囲気も盛り上げた。中継ぎ経験が長い分、常に後ろの投手のことを考え「1イニングでも長く」と強い責任感を持ってマウンドに上がる奥村。チームのため、家族のために、強い覚悟を持って腕を振る右腕の更なるアピールに期待したい。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)