2軍戦でプロ初完封 鷹4年目・奥村政稔の快投呼んだ小久保2軍監督からの助言

ソフトバンク・奥村政稔【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・奥村政稔【写真:藤浦一都】

「あんだけ真っ直ぐを投げへんかったら、変化球しか待たんよ」

 24日にタマスタ筑後で行われたウエスタン・リーグのオリックス戦で、プロ初の完封勝利をマークしたソフトバンクの奥村政稔投手。9回を1人で投げ抜き、3安打無失点の好投。球数は111球で、7つの三振を奪い、無四死球で試合を締めた。

 2018年ドラフト7位で社会人の三菱日立パワーシステムズ(現・三菱重工East)から入団し、今季が4年目となる奥村。入団時には“オールドルーキー”と呼ばれた右腕は今年で30歳になる。ルーキーイヤーは1軍で中継ぎとして12試合に登板。防御率は8.76ながら、1軍での経験を積んだ。3年目の昨季は2軍で先発にも挑戦して4勝。自身の可能性を広げる有意義な時間を過ごしたが、1軍昇格のチャンスは得られなかった。

 30歳を迎え、勝負の年となる2022年シーズン。昨季までは調子の良し悪しが結果に直結していたが、今季は「感覚自体は悪くない。でも結果が悪い」と頭を悩ませていた。そんな右腕に小久保裕紀2軍監督が送った助言が、この日の快投へと繋がった。

「バッター目線から言うと、あんだけ真っ直ぐを投げへんかったら、変化球しか待たんよ。真っすぐをもうちょっと使っていかんと、先発としては窮屈になるんじゃないか」

 多彩な変化球を操ることのできる奥村。「自分の万能球はカーブ」と話すように、カーブでカウントを整え、空振りも奪えるのも持ち味だ。しかし、最近はそのカーブを狙われることが増え、この日は直球の割合も増やした。バッテリーを組んだ海野隆司捕手も、奥村の良さを生かすためにインサイドを上手く使ってリードした。それによって持ち味の変化球も生き、7三振を奪う結果となった。

2児のパパ「『よかったね』とか『明日もお仕事頑張ってね』と言ってくれる」