甲斐拓也の正捕手の座は揺るがないのか? 藤本博史監督が語る“捕手起用論”

「ディフェンスに関しては日本一のキャッチャー。そこは揺るぎない」

 ファンの間では甲斐に対して批判的な声もある。ただ、藤本監督の苦言は正捕手に信頼を寄せるからこそ。甲斐の起用への考えを問われた指揮官は「やっぱりディフェンスではナンバーワンですからね。ディフェンス、肩、捕ってからセカンドに投げるとか、そういうものに関しては日本一のキャッチャー。そこは揺るぎないですよね」と言い切った。

 ソフトバンクには甲斐のほか、これまで海野隆司捕手が2番手捕手として控え、谷川原健太捕手も1軍に登録されている。2軍では渡邉陸捕手が大きな期待を受け、24日から海野に代わって1軍に初昇格する見込みだ。ただ、指揮官は「当然、若い選手が甲斐のディフェンスと同じぐらいできますよって言ったら、それはもう甲斐のお尻に火がついてってなるでしょうけど、まだまだ」。捕手として総合的に甲斐を脅かす存在にはなり得ていないという。

 23日に出場選手登録を抹消となった海野の起用の可能性についても「ピッチャーとの相性っていうのもあるし、ピッチャーが甲斐を信用して投げてるっていうのが当然ある。キャッチャーは1つしかないポジションなんで、そう簡単にコロコロ替えるってのは難しいと思います。やっぱりうちの正捕手は甲斐なんで」とも語り、消極的だった。

「捕手って1番疲れるポジションですからね。そこでたまには休まして、あとから行ってもらおうかなというのも考えてますよ」と、藤本監督は疲労を考慮して休養させる可能性は示す。ことある毎に綿密にコミュニケーションをはかり、意志の疎通を図っているという指揮官と正捕手。厳しい言葉の裏には、揺るがぬ信頼感が隠されている。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)