2軍投手コーチも「喜んでたぞ」 鷹の育成4巡目左腕が見せたポテンシャルと可能性

ソフトバンク・三浦瑞樹【写真:上杉あずさ】
ソフトバンク・三浦瑞樹【写真:上杉あずさ】

18日に行われた高知との交流戦で5回無失点と好投した三浦瑞樹

 大卒ルーキーがまたしても好投した。18日にタマスタ筑後で行われた四国ILの高知との3軍交流戦。先発マウンドに上がった2021年の育成ドラフト4巡目左腕・三浦瑞樹投手が5回無失点とアピールした。2安打0四死球、さらには8つの三振を奪い相手打線を圧倒した。

 最速147キロの直球とキレのある変化球による緩急を駆使し、制球力も持ち味の技巧派左腕。盛岡大附高時代は3度甲子園の土を踏み、進学した東北福祉大では1年生から全国の舞台に立った。アマチュア時代から大舞台で培ってきた経験値は、堂々たるマウンドさばきにも表れている。

 この日は3者連続三振という上々の立ち上がり。唯一のピンチは2回。2本の安打などで1死一、三塁とされたが、変化球を巧みに操り、後続を直球で2者連続の見逃し三振に仕留めて無失点に切り抜けた。「試合前から絶対に点を取られたくないと思っていたので、すごく集中していました」と三浦。4回にも3者連続三振をマークするなど、切れ味バツグン。結果的には「8つも取ったんですか?」と自身でも驚くほどの三振を奪った。

 嬉しいチャンスを雨で流していた。ルーキーながら、12日に予定されていたウエスタン・リーグの広島戦で公式戦初登板する予定だった。小久保裕紀2軍監督も「東北福祉大で修羅場をくぐり抜けてきてるんでね。ゲームは作れるんじゃないですか」と話し、楽しみにしていた登板だったが、中止に。2軍デビューはお預けになり、この日の3軍戦で先発マウンドになっていた。

「2軍戦が雨で流れて、登板間隔も結構あいたんですけど、試合で結果を出さないといけないと思ったので頑張りました」と三浦。アピールしたい思いも強い中で結果で示し「2軍の高村祐投手コーチも見て下さっていたらしく『すごい喜んでたぞ』と若田部コーチに言われました。嬉しかったです」と笑みを浮かべた。再び2軍戦の登板のチャンスが巡ってくる日も遠くはなさそうだ。

「試合で点を取られないように続けていきたい。ヒットは打たれても、点をやらない投手を目指してこれからも頑張っていきます」と意気込みを語った三浦。前日に好投していた佐藤琢磨投手だけでなく、三浦もまた楽しみな存在。経験豊富な大卒ルーキーは貪欲にアピールし、支配下昇格を目指す。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)