鷹の佐藤琢磨は15イニング連続無失点中 ファームで光る育成ルーキー左腕の課題

若田部3軍投手コーチは「まだ2軍では通用しない」とも

 大学時代は主にリリーフを務めたが、若田部健一3軍投手コーチによれば、まず、3軍で先発として登板を重ねていく予定だという。1イニングや1人の打者に思い切り投げていた学生時代とは違い「出力をどこで出すかが重要」と先発としての挑戦に試行錯誤しているという。

「自分の持ち味をだんだん表現できるようになってきた」と、若田部コーチは佐藤琢のここまでの投球を評価する。その一方で「2軍にはまだ行けない。現状ではまだ2軍では通用しないと思っている」とも。「彼の場合はまだまだ3軍で投げて覚える、投げて体力を付けていくという課題がある」と指摘する。

 若田部コーチいわく、3軍投手陣は特徴や現状を把握しながら、それぞれに適した育成プランを立てているところ。佐藤琢に関しては、数字上は結果が出ているものの、焦らずじっくりと目の前の課題と向き合わせているところだ。

 佐藤琢の理想は同じく大卒育成からチームの柱となった石川柊太投手だという。「楽に投げて凄い真っすぐを投げているし、変化球もよく曲がる」と分析。“軽く投げてもキレのある直球”というのを追求しながら、自分らしさを確立したいと穏やかな表情の裏で静かに闘志を燃やしていた。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)