初の2軍戦登板で2回零封4奪三振 鷹ドラ3木村大成、異例の早期デビューで得た収穫

ホロ苦かった3軍戦初登板で変わった練習に取り組む姿勢

 初の2軍戦で2回無失点という投球内容には手応えも感じた。持ち味である三振も4つ奪い「3軍であまり三振が取れてなかったので、2軍で三振が取れて少し自信になりました」と安どの笑み。この奪三振率の高さこそが木村の持ち味で「三振が1番かっこいいなと思うので、そこはこだわって投げていきたい」と胸を張った。また四死球は0。「ヒットより四球を出す方がチームの流れも悪くなると思うので、初球はど真ん中に自分の全力のボールを投げるよう心掛けました」。思い切りの良い投球の結果、投手有利のカウントで勝負することが出来た。

 マウンドに送った小久保裕紀2軍監督は「18歳だよね。2イニング目、1アウト取った後に自信をつけたんでしょうね。もうイケイケでしたよ」とマウンド度胸にうなずき「どの球でもストライクを取れるのが1番の良さ」と高く評価した。

 プロ入り後初実戦となった4月12日の四国IL香川との3軍戦で悔しい思い味わった木村。“良い投球をしたい”と意気込み過ぎて、空回り。2四球や暴投などが絡んで1回1失点し、悔しさをあらわにした。ただ、そこからの3軍戦では1点も許しておらず、登板を重ねるごとにストレートの威力も増し「めちゃくちゃ悔しくて、練習の取り組み方とか、1から見直してやってきたことが結果につながったんだと思います」と木村は言う。

 苦い3軍でのデビュー戦が自分の行動に変化をもたらし、気持ちの面での成長にもつながった。小久保2軍監督は木村を先発として育てる方針を明かす。球数を投げる必要があるため、再び3軍で登板を重ねていくことになりそうだ。木村は「もっと(2軍に)いたいですけど……今シーズンの最終的な目標はやっぱり1軍で投げることなので、まずは試合で結果を残しつつ、身体も全然まだ高校生の強さなので、しっかり練習を積んで、1軍で活躍できる土台を作っていきたいです」と気持ちを新たにしていた。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)