鷹ドラ1風間球打がまだ実戦登板しないワケ 重なるロッテ佐々木朗希の歩んだ道

「投げさせれば、既に投げている他のルーキー以上のものは出せる」

 今後もしばらくはブルペンで投球練習を重ね、打撃投手やシート打撃での登板などの段階を踏んで、ようやく実戦が見えてくる。「レベルというか、意識が高いからこそ、それに追いついていないだけ。投げさせれば、既に投げている他のルーキー以上のものは出せる」と、その能力はやはりピカイチ。その一方で「こっちはそういうところで調整させてないので。彼の良いものをしっかり出させるという点では、もうちょっと待ってくださいよ」と若田部コーチは考えを示す。

 現在の風間に重なるのが、先日、28年ぶりに完全試合を達成したロッテの佐々木朗希投手だ。風間は高校時代、佐々木朗と同じ東北の地で“朗希2世”とも言われ、世代最速の157キロをマークした。プロ入り後も、春季キャンプ中から既に大器の片鱗を見せており、キャンプインを筑後で迎えていた松田宣浩内野手や柳田悠岐外野手といった球界を代表する先輩たちも風間の身体能力の高さを認めていた。

 その佐々木朗も1年目はファームでも実戦には登板しておらず、じっくりと身体作りに専念した。2年目のオープン戦でようやく初の実戦登板。シーズンに入ってからも登板間隔を空けるなど、チームの慎重な方針の下で経験を積み、成長してきた。そうして迎えた3年目の今季、そのポテンシャルを開花させ、大輪の花を咲かせようとしている。

 風間も佐々木朗のように大きく育ってほしい――。そう話が及ぶと、若田部コーチは「超えて欲しいよね」と期待を寄せた。まずは大事なのは、じっくりと土台を作ること。ドラ1ルーキーのデビュー戦は待ち遠しいが、焦らず慎重にその道のりを見守っていきたい。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)