山本恵大は「使いたくなる」…小久保監督が絶賛した打席の姿 庄子には「学んでほしい」

徹底した独自取材、データ分析
選手の本音や核心に迫る「鷹フル」

小久保裕紀監督【写真:古川剛伊】
小久保裕紀監督【写真:古川剛伊】

近藤の初回先制2ラン「さすがだなと」

 ソフトバンクは1日、楽天戦(みずほPayPayドーム)に3-1で勝利した。先発の上沢直之投手は7回1失点の好投で、約1か月ぶりの7勝目をマーク。打線は初回1死一塁で近藤健介外野手が4号2ランを放ち先制。5回1死満塁では山本恵大外野手が押し出し四球を選び、追加点を奪った。試合後、取材に応じた小久保裕紀監督の一問一答は以下の通り。

――先発に緒方理貢選手、庄子雄大選手を起用した。
「前回、滝中に完封負けをしているので。思い切って若い選手を使ってみようと」

――庄子選手にプロ初の長打が生まれた。
「あれをかき消すぐらいの走塁死ですね。あれでよく、流れが変わらなかったなと。プロの厳しさ、怖さをあれで学んでほしいですね」

――攻撃では近藤選手の先制ツーランが大きかった。
「まあ前回(の滝中との対戦では)近藤は出ていなかった。さすがだなというふうに見ていましたし、きょうはまず完封負けの次だったので。目標は1点を取ることだった。初回に嫌な流れ(を与えられた)というか、先制2ランというのは本当に大きかったなと思います」

――先発の上沢投手が7回5安打1失点と好投。
「尻上がりというか、イニングを重ねるごとにね。変化球もしっかり決まり出しましたしね。しっかり先発の役割を果たしてくれた。後半戦の初登板、久しぶりでしたけどイニングもしっかり食ってくれた。良かったと思います」

――98球での交代という判断については?
「あんまり戦術的なことは言えないんですけど、ずっと左が並ぶところで(ダーウィンゾン・)ヘルナンデスっていうのはもう最初から決めていたので。プラン通りです」

――上沢投手の好投は、後半戦の起用にも大きなプラスになる?
「そうと言いたいんですけど、まだちょっと次の登板も確定はしていない。今年の戦い方的にはなかなか昨年みたいに、2週も3週も先を読んでのローテーションっていうのは、今はもうやっていないので。ゲーム差、日本ハムに対してどうするかっていうところも考えています。まだ(上沢の次回登板は)決まっていないですけど、必ずあるので。しっかり準備してほしいと思います」

上沢の次回登板は「まだ決まっていない」

――イーグルスはここまで唯一負け越している相手。明日以降の戦いに向けて。
「苦手意識ほどではないんですけどね。こんな年もあるかっていうくらいでやっている。あしたは有原(航平)でしっかり勝って、勝ち越しを決めたいと思います」

――3点目は山本選手の貴重な押し出し四球だった。
「前の打席、満塁からね。外に抜いた真っすぐを引っ掛けてセカンドゴロになった。同じバッティングをしたらゲッツーになる場面でね。ストレートに対してポイントを近くして、引っ掛けないというアプローチをしていた。なかなか育成から上がったばかりで、あんな冷静なバッティングはできないです。使いたくなりますね」

――日本ハム戦では右翼守備での落球もあった。プロとしてたくましく成長している。
「ヒットを打ちたいと思うんですけど、次の1点が大事になることがわかっていたと思う。どういうアプローチをしようというのが伝わってくるし、チャンスを与える側からすると使いたいと思いますね。まあ守備はね、あのくらい(のミス)はすると思って使っているので。気にしなくていいです」

――今後も、5番以降の打順が鍵を握りそう。
「いるメンバーで一番可能性が高いのが山本ですから」

――庄子選手の牽制死は。
「今からどうするか、コーチと話します」

――上沢投手は前半戦とは違った姿だった?
「変化球が途中からよくなったなという印象でした」

(竹村岳 / Gaku Takemura)