今宮健太が断言、野村勇は「ラストチャンス」 気になる苦悩の後輩…指摘した「悪いところ」

自主トレを公開したソフトバンク・今宮健太(左)と野村勇【写真:冨田成美】
自主トレを公開したソフトバンク・今宮健太(左)と野村勇【写真:冨田成美】

昨年の契約更改では「芯がない」…今宮健太との自主トレで学んでいること

 自分を変えるために、ここに来た。改善点は明白だ。ソフトバンクの今宮健太内野手が12日、福岡県宮若市で自主トレを公開した。「芯がない」と言われ、初めて弟子入りをしたのが野村勇内野手だ。同じ内野のポジションを争う大先輩から、何を学んでいるのか。突きつけられた言葉は「ラストチャンス」だ。

 野村勇は1年目の2022年に97試合に出場。10本塁打10盗塁を記録し、能力の高さを見せつけた。しかし2023年3月に「内視鏡下椎弓形成術」を受けるなど、怪我にも悩まされてきた。2024年は自己最少の38試合出場。ヒットはわずか5本で打率.116、本塁打もゼロに終わった。

 3年間で通算304打数で115三振。確実性が課題だとわかっている中で、今宮からは「芯がない」とハッキリ言われた。小久保裕紀監督から「オリンピック(の選手)級」と言われるポテンシャルを備えながらも、方向性を継続できずにいる。背番号6の偉大な先輩と、今どんな時間を過ごしているのか。

「(今宮は)すごく練習をしますし、フィジカルも技術もしっかりとしている。そういうのを毎日積み重ねているから、良くても悪くても、それを続けていることで芯があるのかもしれないですね」

 2024年シーズン中、小久保監督からは「欲のない子ですね。それが多分あの能力があって、伸び悩みにつながっている部分ではあると思うので」とも言われた。“伸び悩む”要因について、本人も気持ちの波があったことを認める。

「打てなくなると、気持ち的にも落ち込みますし。(試合)途中やたまにしか出ないので、この1試合、この1打席に集中してしまう。そこで一喜一憂せずに、1年間を通してやることをやること。ウエートや体作りをやっていれば自然と結果は出るんじゃないか、と。去年はそういう浮き沈みがあって、打てなかったら『ああ……』となっていました。そういうのを今年はなくしていかないといけないです」

 2022年、キャリアハイの打率.296を記録した今宮は、シーズン中もウエートトレーニングを継続。球団OBの松田宣浩さんを「真似して始めた」ことで、以降は怪我による長期離脱を防いでいる。野村勇も「フィジカルで、メンタルを凌駕しようかな。そんなイメージです。そこで払拭できたら」と笑いながら話すが、何か1つを貫くことで自分だけの“型”を作ろうとしていることは共通しているのかもしれない。

自主トレを公開したソフトバンク・今宮健太(左)と野村勇【写真:冨田成美】
自主トレを公開したソフトバンク・今宮健太(左)と野村勇【写真:冨田成美】

 自主トレが始まり、今宮には野村勇はどのように見えているのか。昨年12月の「芯がない」という発言から、大きく印象は変わっていない様子だった。

「コロコロ変えちゃうところが彼の悪いところだとすごく思います。1年目は、そういうところがなかったので。怖いもの知らずでガンガンいって、ホームランも10本。ある程度、いい成績が出ていましたけど、2年目になって色々ある中で『こうした方がいいんかな、ああした方がいいんかな』っていう悩みが増えてきてはいたので。そこはすごく気になっていました」

 当然、誰しもが通る道ではある。今宮が初めて規定打席に到達したのは、プロ4年目の2013年。「僕も若い頃は、『こうしろ』って言われて、『こうした方がいいのかな』って行き来ばかりしていたので。それだけをなくせば、ポテンシャルは十分にいいものを持っている。年齢を考えれば、ラストチャンスになってくる年だと思う。そこだけは常々、自主トレの中では言っています」。自分の過去を重ねつつ、“ラストチャンス”だとキッパリ言った。28歳で今季が4年目。今宮という壁を超え、ポテンシャルを開花させたい。

「2月1日からが勝負だと思っているので、そこでしっかりと100%合わせていけるように準備していきたいです。そろそろ本当にレギュラーを獲らないとやばいので、開幕スタメンを目指してやっていきたいです」。悔しさはもう必要ないほど味わった。今宮という大先輩から学んでいることと、自分が決めた信念だけは、もう絶対に疑わない。

(鷹フル編集部)