「勇は芯がない」 今宮健太がライバルに手を差し伸べた理由…重ねた“自身の若き日の姿”

ソフトバンク・野村勇(左)と今宮健太【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・野村勇(左)と今宮健太【写真:荒川祐史】

今宮の自主トレに野村が“弟子入り”「もちろん競争です」

 定位置を争うライバルであっても、苦しんでいる姿を他人事とは思えなかった。今宮健太内野手が明かしたのは、年明けの自主トレに野村勇内野手が参加することだった。いわば“敵に塩を送る”形ともいえるが、そこにはチームリーダーらしい思いがあった。

 NTT西日本から2021年ドラフト4位で入団した野村は、1年目から97試合に出場して打率.239、10本塁打、25打点、10盗塁をマーク。パンチ力にスピードを兼ね備えた即戦力野手として期待に応える活躍ぶりだった。だが、2年目の昨季は50試合の出場で打率.160、3本塁打と成績が下降。今季も38試合に出場して打率.116、本塁打0と“負の流れ”を変えることができなかった。

 今宮は打撃に苦しむ後輩について「勇は芯がないので」ときっぱり言い切った。言葉だけを見れば冷たく切り捨てたようにも感じられるが、真意は別にあった。「正直、僕もそうだったんです」——。野村の苦悩は、自身も通ってきた道だった。だからこそ、手を差し伸べたくなった。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)