CSは野手17人構想も…「推薦する選手いない」 小久保監督が苦言を呈した選手とは?

ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:飯田航平】
ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:飯田航平】

同郷・西口文也新監督と会話…来年も“警戒するチーム”

 ソフトバンクは10日、ひなたサンマリンスタジアム宮崎で行われた「みやざきフェニックス・リーグ」の西武戦に3-8で敗れた。初回に山川穂高内野手の適時打などで幸先よく2点を先制したが、先発の大竹風雅投手が西武打線に捕まり、5回5失点で降板。その後も中継ぎ陣が失点を重ねるなど踏ん張りきれなかった。試合を視察した小久保裕紀監督のコメントは以下のとおり。

――この2試合は柳田悠岐選手の状態を確認できた?
「それはもちろん。あとは今年1軍に上げた選手が、この時期にどういう姿なのかなと気になっていた。松山さん(2軍監督)と昨日、今日と、かなり濃い話ができたのは収穫でした。ちょっと廣瀬(隆太内野手)が……。(5月末から1か月半ほど)1軍で預かって、このまま戦力になりそうやなってところから、牧原(大成内野手)が戻ってきて。併用しないと決めて1回落としたけど、その後の姿がちょっと物足りないなっていう。普通、1軍を経験したら、『よし来年は(定位置を)掴めそうやな』っていうものがもう少し出てもいいんじゃないかなと思ったんですけど。そのあたりは松山監督も同じ意見でした。状態はずっと良くないんでしょうけど。いい階段を上がってほしい(と期待する)中では、そこは見られなかった感じですね。昨日、今日と見ていたら」

――廣瀬選手はフェニックス・リーグと秋季キャンプの動きも見ていく?
「実際、去年の今頃は俺もフェニックス・リーグで(監督を)やっていたわけなので。緒方(理貢外野手)は去年育成で、このリーグで(打率)4割くらい打って。自分の型が見つかったことで支配下登録されて、(今年は)フルで1軍に帯同した。だから1年後、どうなっているのか分からない。ここにいる選手たちは、しっかりと目標に沿った目的を作れば、道が開けるというのは緒方が証明してくれているわけですよ。だから、流されることなくやってほしいなというのが一番です」

――松山監督との会話は。
「シーズン中で言えば、それこそ廣瀬が(1軍に)上がる時に、『守備はどうですか?』って(聞いた)。ぶっちゃけ、そこだけ心配だった。(松山監督からは)『決して上手くないけど、1軍で足を引っ張らない計算はできる』と。そういう信頼があるからこそ、1軍に置いておくことができるので。改めて、そこの確認を(松山)監督とさせてもらったところ。現状、(CSに向けた野手の候補として)17番目に推薦する選手はいないというところ。最後まで見て決めようかなと」

――去年のこの時期は光る選手として大竹投手の名前を挙げていたが、印象は?
「もうちょっとかなという感じでしたね。初回は(いいかな)、と思ったんですけど。自分のミスからの失点もあったし、ランナーが出た瞬間からストライクが入らなくなって。ストレートも(球速が)3、4キロ落ちるのを見ると、やることは多いなと思いましたね。でも、決定戦(ファーム日本選手権)からは良くなりました」

――柳田選手は2試合で3番起用だった。
「別にそこは1軍からリクエストは出していないです。近藤(健介外野手)が帰ってきたらどうなるかで全部が変わるので。まだ打順も決めていないです」

――近藤選手の現状は?
「慌てさせてはいないので。日に日に良くなって、間に合えばいいという感じです」

――西武の西口文也新監督とも会話されていた。
「そうそう。(西武の)2軍監督もされていましたし。特に(地元が)近いというか。年齢も近いし、一番対戦した投手ですから」

――小学生の時から対戦していた?
「いや、していないと思います。一番最初は大学だった。(西口新監督が)立正大で、新人戦でホームランを打ったのは覚えていますけど。それが最初だったかなと」

――和歌山にいたときは、西口新監督のことは知っていた?
「1個上やったしね。それで立正大にいい投手がいることは知っていましたけど。彼に関してはプロに入ってからじゃないですかね。あの細さであそこまでの投手になった。彼が言っていた通り、本当に世間話です」

――今季は西武とは1点差の試合も多かった。
「松山監督にも話をしましたけど、交流戦までの(直接対決が)12試合。これが2勝10敗だったら、独走どころか首位も危なかった。6勝6敗で御の字ですねって。最初に3連勝して、残り3つ勝とうと思っていただけ。それが蓋を開けてみれば10勝2敗だったというだけの話で。今年の西武の先発陣を見たら、どうやって6勝しようかなということを真剣に考えていたので。相変わらずそういう印象です」

――来年も警戒すべきチームになる?
「もちろんです。今年の春の段階では、10勝してもおかしくないピッチャーの数が断トツだったので」

――3軍戦で田上奏大投手が登板し、病気の話も公表した。
「春にそういう話があって。前例がないので彼自身も不安になったでしょうけど。何度か視察に行った時にも、痛みもとれてきて、食欲も筋力も戻ってきたという話をしていたので。昨日公表にはなりましたけど、もう1回1軍の舞台に立てるまで。焦る必要はないですけど、体と相談しながら戻ってきてほしいなと思います」

(飯田航平 / Kohei Iida)