試合前の表彰式に千賀滉大が“登場”…甲斐の「ピクリとも痛がらない姿勢」
今でもファンから愛されている。“せんたく”は「2人で築きあげたもの」だから、サプライズが嬉しかった。千賀滉大投手から、甲斐拓也捕手へ。メッセージの舞台裏に迫った。
ソフトバンクは18日、日本ハム戦(みずほPayPayドーム)に0-3で敗れた。相手先発の伊藤大海投手から最後まで得点を奪えず、零封負け。小久保裕紀監督も「やっぱりランナーを背負って、ピンチになってからの球が全然違いましたしね。初回、2回のところで1点取れなかったのがね、そのままいった感じでしたね」と振り返る展開で、優勝へのマジックナンバーも「5」から動かすことはできなかった。
この日の試合前の出来事。通算1000試合出場を達成した甲斐の表彰式が行われた。8月31日のロッテ戦(ZOZOマリン)で節目の数字に到達し、祝福の場が設けられた。サプライズでバックスクリーンに映し出されたのが、千賀滉大投手だった。
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「甲斐拓也選手、通算1000試合出場おめでとうございます。打席でもキャッチャーをしていても、ボールが当たってもピクリとも痛がらない姿勢に、僕はマウンドからとても感動していました」
2010年育成ドラフト4位で入団し、ホークスで通算87勝を重ねた右腕。同6位だった甲斐とは同学年であり、同期入団だ。同5位の牧原大成内野手も含めて3桁の背番号だった時から切磋琢磨し、千賀は2022年オフに海外FA権を行使してメジャーリーグに挑戦した。ホークスファンにとっては今でも愛されている“せんたく”の関係だ。盟友からいきなり届いたメッセージを、甲斐はどのように受け止めたのか。
「嬉しかったですよ」と第一声。甲斐自身もメッセージ動画の存在は知らなかったといい、完全なサプライズだった。「ビックリしましたね。まさか、あんなものが用意されているとは思わなかったので、素直に嬉しかったです」と、率直な思いを語った。千賀自身も、今季は1試合登板にとどまっている。どんな形でも、久しぶりに顔を見られたことを喜んだ。
甲斐の表彰式のために、球団スタッフが千賀に電話をかけたのが9月になってからだった。今も変わらぬ仲間を祝うためのお願いに、右腕の答えは「わかりました、いいですよ」だったそうだ。撮影場所は、メッツの球団施設内。千賀にとっても、多くのファンに向けた“近況報告”になったはずだ。
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千賀が称賛したのは、甲斐の体の強さ。バッテリーを組んだ試合で相棒にファウルが直撃し、マウンド上で右腕が笑いを堪えていたのは1度や2度ではない。「ピクリとも痛がらない姿勢」という言葉も「ハハハ、千賀らしいなと思いましたね」。自分の持ち味だと誰よりもわかってくれているから、嬉しかった。
ファンからは「マウンドの上からめちゃくちゃ笑ってたのをみんな知ってます」「痛さで悶絶してる拓也さん見て、笑っとったやんか、アンタ」といった声が相次いだ。それをそのまま甲斐に伝えると「うん、そうね(笑)」とファンの言葉に同調していた。そして「でも、まさかだよね。あそこまで用意してくれているとは思わなかったですね。とてもありがたく思います」と、何度も頭を下げていた。
千賀のメッセージは「これからも強靭な体を持って、2000試合目指して頑張ってください。応援しています」と締めくくられていた。どんな形でも、もう1度“せんたく”を見られたことを多くのファンが喜んだ。「そうであれば嬉しいですし、これは2人で1つ築きあげたものかなと思います」と語る甲斐の表情は、やっぱり嬉しそうだった。
(竹村岳 / Gaku Takemura)