柳町達のサヨナラ打で決着も…要因は「甲斐拓也」 興奮の会見、小久保監督の全コメント

日本ハム戦に勝利し、ナインを迎えるソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:竹村岳】
日本ハム戦に勝利し、ナインを迎えるソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:竹村岳】

「今日ノーヒットの慶応2人だったんですけどもしっかり決めてくれました」

 ソフトバンクは4日、日本ハム戦(みずほPayPayドーム)に3-2でサヨナラ勝利を決めた。先発した大関友久投手が7回1死まで無安打投球を見せていたが、野村佑希内野手に浴びた2ランで一時逆転された。打線は、4回1死に栗原陵矢内野手が右越えに10号ソロ。1点を追いかける9回無死満塁で正木智也外野手の右犠飛で同点とすると、柳町達外野手の中前打で決着した。試合後、小久保裕紀監督が取材に応じた。一問一答は以下の通り。

――「鷹祭SUMMER BOOST」は劇的な幕切れ。素晴らしいサヨナラ勝ちだった。
「最後ね、みんなが繋いだチャンスでね、今日ノーヒットの慶応2人だったんですけども、しっかり決めてくれましたね。本当にいいゲームだったと思います。この3連戦が、日本ハムとの戦いの中で、非常にいいゲームができたなという風に思いますね」

――柔と剛のピッチャーの戦いの中、大関1球という形(野村選手の被弾)になると思うんですが。
「そうですね。このまま負けていればね、負けていなくてもあの1球が、という典型的な試合だったんですけど。でも8回もマウンドに上がらせて、最後、振り絞った時に145キロ出せるところに、また今後のローテーションを回ってくれるピッチャーらしいなっていうのを感じさせてくれました。あと……。今日の逆転の要因はやっぱり甲斐拓也ですね。(8回に)五十幡と松本のスタートで、スチールを刺した。逆に言うと、走塁死でこっちに流れが来たんだなというようなゲームでしたね」

――遊撃・今宮のタッチも素晴らしかった。
「あれは今宮でしかできないぐらいのタッチの技術の高さなので。だてにパ・リーグで一番ショートで出ているだけありますね」

――このユニフォームが美しい思い出で終わった。
「そうですね、5勝1敗ですか。なんか終盤これをまた着ろって言われそうな気がします」

――甲斐選手は途中出場で違いを見せつけた?
「違いというか、澤柳はそこまでクイックが速くないので、もう二塁に行ってからバッター抑えたらええよって言ってたんですけど。そのクイックも成長してて速くなっていたし。ただ、アウトローのボール球からの送球と、次はもう完全に盗まれたタイミングだったんですけどね。今宮のタッチも含めてですけど、あれで9回になにかあるかなって。大体そう感じるんですけどね。本当に見事な逆転劇でしたね」

――澤柳投手は2登板連続で白星ということで、勝ち運を持っている。
「それはあんまり関係ないです。ただ、彼の実力として、1点ビハインドの9回に上がれる位置に来ているというのが彼の今の成長なのでね。反省点はあるでしょうけど、ルーキーらしく思い切ってやってくれればいいと思います」

――栗原選手は昨日悔しい思いをした中で、本塁打と9回のヒットがあった。
「そうね、あのホームラン。っていうか、今日伊藤がめちゃくちゃよかったんで。勝つなら1点差だって話してたんで。ホームラン打たれた時点で厳しいかなと思ったんですけど。8回もあと1本のところまで粘って、9回もサヨナラっていうね。伊藤には非常に厳しいバッティングをやらされましたけどね。そのあとはしっかり粘って逆転まで繋げてくれましたね」

――柳町選手がここぞの場面で決めた。
「そうですね、2ストライク追い込まれた後に。スリーベースを酒居(7月7日の楽天戦で酒居から逆転の3点三塁打)から打った時もそうなんですけど、あれが若いカウントからできるともっと面白いでしょうね。若い時はどうしてもまだ、振りに行ってはないんでしょうけど、追い込まれた時の方がよりコンパクトに。真っすぐ狙った時にはあのコンパクトさで、若いカウントで仕留められると、もっとこう長打も出てくるような気はしますけどね」

――今宮選手は30歳を超えて成績も上がっている。
「考え方というかね、どうしても振り回したらボールが飛ぶ選手なので。2割ちょっと、ホームラン20本ぐらい打ちたいって目標を掲げていたと思うんですけど、それをしてたら多分、今いないと思いますよ。途中で切り替えたんで。この3年ぐらいの姿で良くなってきてるので」

「今年は特に、フォアボール1つであれだけ喜ぶというか。我々としてはそのタイプの選手の可能性を小さくする必要はないですけど、生きる場所を提供して、そこに向けて技術指導をしていく、考え方を変えていく、っていうのが僕らの仕事になると思うので。まあまあ今のスタイルのまま行くと、長くやれると思いますよ」

(飯田航平 / Kohei Iida)