ある日のみずほPayPayドームでの試合後、長谷川威展投手が大きな紙袋を手に帰路についていました。中身を聞くと、又吉克樹投手からのプロ初勝利をお祝いしたプレゼント。何が入っていたのか、どんな経緯でもらうことになったのか。開けた時のリアクションは「でか!」と驚きだったそう。詳しく取材してみました。
――どんなやり取りで又吉投手からもらうことに?
「なんか『初勝利祝ってやるよ』って言われていたので、そんな感じです」
――中身は知っていた?
「いや、中身は全然知らなかったです」
――長谷川投手から何か要望したわけでもなく?
「……。『欲しいなー』ってくらいは(笑)。初勝利したので……」
――キャンプ中から又吉投手とは交流があった?
「よくしてもらっていました。初対面というか、自分が(ソフトバンクに)入りたてだったんですけど、使っている(道具の)メーカーも同じだったので、ご飯にも行ったりしていました。キャンプ中、初めてのご飯も又吉さんとでした」
――最初は「友達いない」とも言っていましたが、きっかけになったのが又吉さんだった。
「又吉さんを筆頭にいろんな人が誘ってくれました」
――袋を開けた時のリアクションはどんな感じでした?
「ブランドものとか全く持っていなかったので。めっちゃ嬉しかったですね」
――第一声は?
「『うぉ!』『でか!』みたいな」
――どうやって使っていきたい?
「やっぱり移動じゃないですか? 遠征の時とか、本当に使い道は多いと思うので」
――日本ハム時代は私服での移動でしたか?
「私服もOKの時がありました。基本はスーツですけど、休みの日の移動とかは私服でも」
――ブランドものを使うこともプロ野球選手にとってはステータスの1つ。ゲットできたことについてはどうでしょうか?
「胸を張って歩けますよね。今までは安い3000円、4000円くらいのバッグを使っていたので。良かったんじゃないですかね」
――こういうことをしてもらうと、長谷川投手も後輩にしてあげるようになる。
「もちろんそうですよね。受け継いでいきたいです」
――これまではブランドものへの興味は?
「欲しいなっていうのはあったんですけど、身の丈に合ったというか、僕がめっちゃいいのを使っていても……。身の丈に合ったものを使っていきたいというか、スターの人が使っていたらさらに良く見えるし、逆に“ペーペー”が使ってもなっていうのはあったので」
――先輩たちのバッグなどを見ると、煌びやかに見える。
「それがモチベーションになりますよね。(ブランドものを)カツカツで買うんじゃなくて、余裕を持って買いたいっていう気持ちはあったので」
――又吉投手との関係というのはどんなもの?
「羽振りがものすごくいいです。他球団の人にも何かを買われていたりしますし、頼りになります。しっかりしているというか、バックグラウンドというか。独立からプロに入られて、経歴から尊敬していますし。そういう人がいると、僕もドラフト下の方だったので。何があるかわからないなって思います」
――誰がどれだけ稼ぐかわからない世界。
「そうですね」
――長谷川投手と又吉投手の交流は、あまり印象がありませんでした。
「地味に良くしてもらっているんです」
――気が付けば3勝。1つずつ積み重ねている。
「勝利に関しては、転がってくるものですし。野手と投手が集中して繋いでいった結果で、僕が投げた後にたまたま点が入っている。野手の皆さんと繋いでいる投手陣が集中して、身を削って投げて守っている結果。責任をしっかりと持ってやっていきたいです」
――ヒーローインタビューでは「タイトルを狙いたい」と。
「ちょっと小ボケを挟んだつもりだったんですけどね(笑)」