守備面、走塁面でリーグトップの貢献度を示している周東
4年ぶりのリーグ優勝に向けて、好スタートを切った。36試合を戦い終えて、ホークスは24勝10敗2分けでパ・リーグ単独首位に立つ。貯金は今季最多タイの14まで増え、勝率は7割を超える。チーム得点151、チーム失点85はともにリーグ1位。投打両面でここまでは他球団を圧倒している。
打線はここまでチーム打率.259、151得点、23本塁打で12球団トップに立つ。打率ランキングでは近藤健介外野手、周東佑京内野手、柳田悠岐外野手が上位を独占。本塁打は山川穂高内野手が9本塁打でリーグトップ、打点は山川、柳田が1、2位だ。
そんな打線の中で一際、存在感が光っているのが、リードオフマンとして活躍している周東だ。小久保裕紀監督が単独インタビューで「周東のここまでの活躍はめちゃくちゃ大きいです」と絶賛していた存在。セイバーメトリクスの指標などで分析を行う株式会社DELTAのデータによると、代替可能選手が出場する場合に比べてどれだけチームの勝利数を増やしたかを示す野手の総合指標「WAR」で、ここまで1.9をマークしている。
これは同じホークスの主砲で、全試合に出場している近藤健介外野手、柳田悠岐外野手、日本ハム・万波中正外野手に続き、12球団でも4位の高さを誇る。上位4人のうち3人をホークス勢が占めていることも驚きだが、家庭の事情などで欠場した試合もあった周東の貢献度の高さも特筆すべきポイントである。
柳田は攻撃面、近藤は攻撃面と守備面で数値を積み重ねているが、セイバーメトリクスの指標を見ると、周東の場合は走攻守全ての面で貢献度が高いことが分かる。ここまでリーグ2位の打率.317をマーク。それでも、長打の多い主軸の選手に比べると、打撃での得点貢献を示す「wRC」は高くなく、15.3と規定打席到達者の中でも24位となる。
ただ、周東は守備での貢献度もピカイチだ。守備全般の貢献度を示す「UZR」は3.9でパ・リーグで1位。守備範囲の広い選手が多く守る中堅手は「UZR」はなかなか伸びにくい中で、平均的な中堅手に比べて3.9点分、失点を防いでいるということになる。広大な守備範囲で打球を追い、チームを救ったことは一度や二度ではない。
当然、武器である走塁面は12球団トップ。13盗塁はここまでリーグトップで、盗塁以外も含めた総合的な走塁指標「BsR」でも、3.8と2位以下に大差をつけてトップに立っている。課題とされていた出塁率もリーグ3位の.378をマーク。塁に出られる上に、俊足と抜群の走塁スキルがあり、チームの大きな武器となっている。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)