ソフトバンクは23日、宮崎市の生目の杜運動公園で1日から行っていた春季キャンプを打ち上げた。23日間に及ぶキャンプの日々が終わり、24日の台湾プロ野球・楽天モンキーズ戦から対外試合がスタート。1軍監督として初めてのキャンプとなった小久保裕紀監督の総括、コメントは以下の通り。
――キャンプのMVPは?
「いないです。普段の練習の延長のつもりでやってきたので」
――対外試合で選手に求めること。
「当然、結果でしょうしね。ただ、打つだけではないんでね。守備も含め、後から行く選手は後から行く選手なりの活躍というのはスタメンとは全然違うんで、そういうところでは育成の子たちも十分チャンスがあるし、十分に育成の子たちは良いものを見せてくれていますけど、与えられる場所が違ってくるし、役割も違ってくると思うので、そこにしっかり合わせてほしいですね」
――この先をどういう時間にしていきたい。
「やっぱり開幕ダッシュは大事だと思っているんで、打撃陣も開幕にいい状態に持って来られるように調整してもらいたいし、開幕のときに良い状態の選手をしっかり使うっていうことが大事になってくるのかな、と。その見極めをしっかりしようと思います」
――キャンプはどのような時間。
「お客様の対応と取材が多かったな、と思います」
――印象に残った若手の名前を挙げていただけますか。
「育成の3人です。仲田、川村、緒方。やっぱりオフの課題というか、秋にどういう状態であれば、1軍というか支配下になる可能性があるかっていうのを伝えた選手たちが、オフに継続的にトレーニング、練習を重ねることによって、ここまで姿が変わるのかなというのは見せてくれていたんで。これが育成の子たちのオフの取り組みに、このオフから多少なりともいい影響が出ればいいと思います」
(囲み)
――普段の練習の延長というような形の狙い。
「野球が始まってからキャンプの形って変わっていないじゃないですか。でも、誰もそれが正解だと思ってなくて、結局、キャンプで(体を)作るぞっていう感じだったと思うんですけど、作るもなにも、今の子たちってほとんどオフでも継続的にトレーニングしているんで、作る必要ないんじゃないの、と。ユニホームを着るだけでも、かなり負担がくるんで、僕も怪我したんですけど、何か“ザ・キャンプ”みたいな感じで入って、怪我するみたいなのは避けたいなっていうところからです」
「あとは、普段シーズン中にやってるようなウオーミングアップを含めて、入りをちゃんとそうすること。キャンプだけ特別なことをしてますっていうウオーミングアップとか朝の使い方じゃなくて、普段通り、自分のバッティング練習に合わせてみんな体を作るわけなんで。キャンプの場合はバッティング練習の時間に合わせるのは無理だけど、それはちゃんとスプリントに合わせてやりなさいねっていう、ある意味、1軍の選手だからそれでいいという判断ですよ」
――選手たちもそれをできていた。
「できていたし、好評でしたね、当たり前やけどね。ピッピピッピ、笛吹かれて20分もやらされたらね」
――怪我人の少なさに繋がる。
「それはわからないですよね。終わってみないと、それが正解とかはわからないと思うんで。ただ、現時点でこうした方がいいんじゃないか、ということはやりましたけど、評価は後で出ると思います」
――小久保監督の提案だった。
「それと城島と話しながら。あとコーチ陣とも話しながら、僕らは作り上げるっていうふうにやってきたんですけど、どっちかというともうずっとトレーニングしてる選手たちが多いんですよ。だから、あまり特別、この時期に作り上げるっていういうよりは、考える時間とか自分の時間が増えたらね。こっちの練習が少なくても、ウエート含め、朝も早くから来てやってるし、もう個人でやるのが1軍選手ですよ」
――トレーナーさんたちも食事前に治療が終わる、と。
「朝の5時半とか6時くらいから(ケアを)やって、夜中11時、12時までやって、なんかトレーナーだけ異様に働くでしょう。それも含めて、全体練習が終わってこっちでほとんど(ケアを)終わらせれば、帰ってやる選手は少ないっていう。みんな気持ちよく働いてもらいましょうっていうことです」
――先発陣で有原投手、和田投手に続くのは。
「先発候補はカーター、モイネロ、大関、大津、東浜、石川あたりですかね。横一線というか、投げる曜日がもう決まってくるんで、この日に投げるんだろうなっていうのは多分、登板したら分かるでしょう」
――阪神戦までの1か月で見極める。
「そこは主に野手のところですけどね。ピッチャーはシーズン同様の運用は多分、最終盤まではできない。その週は球数減るんで。だから野手の話ですよね」
――柳田選手と近藤選手以外は横一線。
「そうですね。ただ、さっき言ったように打つだけじゃないんで。守備、走塁含めたトータルの評価なので」
――育成3人は阪神戦まで帯同する。
「いや、それもまだ決めてないです」
――オープン戦から打順は小久保監督が決める?
「決めないです。僕が19日の本番に向けて決断できる材料が出る配置にしてください、というのが僕からの宿題なので。そこを考えて知恵を出すのが担当コーチであり、ヘッドコーチだと思います。材料が足りませんよってならないようにしてください、と」
――2月28日には西武戦がある。山川選手に期待するものは。
「別に。いや、普通にやってくれたらいいですよ。周りは放っておいてもそうなるんでしょうけど、やるのは野球です。やるのは白いボールを打つだけです。白いボールを捕るだけです」
――入れ替えはあまりなかった。
「こっち(A組)にいる選手がやりすぎていた、頑張りすぎていたっていうのもあるんじゃないですか。落とす理由がないというか、入れ替える理由がないっていうのは。でも(対外試合が)始まったら呼ぶ選手も出てくると思うので、オープン戦は」
――山川選手とウォーカー選手の加入で相乗効果は感じる?
「いや、それはゲームで初めて感じるもんなんで、練習じゃわからないです。紅白は2つにわかれてるから、2チームできてちょうどいいなぐらいの感じだったんで、それを1つにした時にどうなるかを感じるんじゃないですか」
――一皮剥けそうと期待できる選手は。
「あんまり野手は見てないんよね、正直。ピッチャーは明日の先発の大津ぐらいが、どこまで先発としてできるか。ちょっと先発だからっていうピッチングをしていると思うんで、もうちょっと中継ぎの時みたいに来て、バテたらバテたで代えてやるよ、みたいな姿でもいいんじゃないか、みたいな話は倉野コーチがやってくれているんで。だから先発だから先発用じゃなくてもいいんじゃないかな、と思いますけどね」
「野手は周東が1番にハマればベストでしょうし、ベストはね。今宮のバッティングは明らかに長打を狙わずにやっているなと思うんで。その話をキャンプ前にしたんですけど、あまり見られていないけど、チョロチョロ見る限りは、ホームランはおまけぐらいの感じのバッティングをしてますよね」
――津森投手の離脱でリリーフの競争も激化する?
「そんなにかからないと思いますけどね。7、8、9はしっかりしてるし、津森は6回から7回にかけてぐらいのポジションになると思う。そこには又吉もいるし」
――下からの報告は。
「でも昨日、試合を見たけど、リチャードもしっかり内容いい打席だったと思いますし、正木の状態はずっと良いって聞いていますけど、彼らの場合はちょっと去年の肩の怪我があったんで、だから呼ばなかっただけなんで。彼は十分、外野でレギュラーを争えるものは持ってると思うんで、その状態をキープしてほしいですね。肩の状態も含めて」