共通点である背番号46…今季の登場曲はドリカムの名曲「何度でも」
聴き覚えのあるメロディーと歌詞が、タマスタ筑後で聞こえてきた。川原田純平内野手が今季の登場曲に選んだのは、「DREAMS COME TRUE」の名曲「何度でも」。本多雄一2軍内野守備走塁コーチが現役時代に用いていた登場曲だ。2人の共通点といえば、内野手であることと、背番号の「46」。どんな経緯で、同じ曲を使うことになったのか。
川原田は、青森山田高から2021年ドラフト4位で入団し、今季3年目を迎えた。与えられたのは、2018年限りで現役を退いた本多コーチが13年間背負った番号。「入団会見の時に知りました。ユニホームの採寸をする時に、46番だったので」と振り返る。「本多コーチがつけていたことをその後に知りました」と、ファンにとっても思い入れの強い「46」とともにプロ生活を歩むことになった。
本多コーチは通算342盗塁を誇り、盗塁王を2度獲得。2013年にはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表にも選出されるなど、ホークスにとどまらず、球界を代表する二塁手として活躍した。2019年から指導者となり、今季からは2軍で内野守備走塁コーチを務めている。まだ1軍で通算1試合出場の川原田にとっては、心強い大先輩がいつもそばにいてくれる環境となった。
同じ登場曲を使うことに決めたのは、春季キャンプ中。「使いたいのがなかったので、本多コーチと(一緒に)いる時に『使っていいですか?』って聞いて。『いいよ』って、快く言ってくださいました」と経緯を明かす。その曲がドリカムの「何度でも」だということは以前から把握。「本多コーチの現役の時の映像とかけっこう見るんです。守備も盗塁もバッティングも、全体的に見ます。その時に流れていた曲だったので」と今でも追いかけている背中だ。
守備面で今、技術的に取り組んでいるのは「グラブを出すタイミング」。自らの課題を冷静に整理する。「僕はグラブで捕る位置が体に近いので。(体に近い)真下くらいで捕ってしまってファンブルが多かったので、(グラブが)目に見えるところで捕るように練習しています」と続けた。今季は遊撃をメインに守っているという。二遊間として1軍の戦力を目指す中で、本多コーチはどんな存在なのか。
「自分の弱いところや守備に向き合って真剣に考えてくれる。上手くしようとしてくれるのが伝わるので、僕もより真剣になるというか。熱く教えてくださる方です」
1日でも早く筑後を卒業することが、期待に応えた証しになる。
「守備走塁は当たり前にできるようにして、バッティングでなんとか結果を出して。打率も出塁率も上げていかないと。今のままでは1軍には上がれないので。打撃で自分の役目を果たして、結果を出していきたいと思います」
今は3軍戦で実戦出場を重ねている。自分が目指していきたい背中は、すぐそばに明確にある。本多コーチのように、そして自分だけの道を作っていくために、何度でも鍛錬を積み重ねていく。
(竹村岳 / Gaku Takemura)