ファームでの状態は上向き「体の強さも、スピードも上がってきた」
復活が待ち遠しい。ソフトバンクの嘉弥真新也投手が復調の気配を漂わせてきた。現在、ファームで再調整中の左腕は、8日に紀三井寺球場で行われたウエスタン・リーグのオリックス戦に3番手で登板し、1イニングを無失点。1安打を許したものの、状態について「上がってきています」と口にした。
6年連続で50試合超に登板も、今季は苦戦を強いられてきた。開幕から7試合無失点を続けたが、4月23日のロッテ戦で3失点。5月4日、13日のオリックス戦でも失点すると、5月21日に出場選手登録を抹消されて2軍落ちとなった。
10日間の再調整を経て、6月1日に昇格。同日の中日戦で1/3を投げて無失点に抑えたが、3日の広島戦で2点を失うと、6日には再び降格となった。再昇格後すぐの2軍落ち。不振の原因はなんだったのだろうか。
「もともと肩に違和感があって。3、4年前からずっと付き合ってきたもので、投げられてはいました。それが少し悪化してきて、成績も良くなかったので、しっかり治して、体も強くして上に上がった方がいいんじゃないかという話になった」
これまで付き合いながら、登板を続けていた左肩の違和感。今季はその状態が芳しくなく、ピッチングにも影響を及ぼしていた。1度目の登録抹消は10日間で1軍に戻ったものの、良化しなかった。首脳陣との話し合いの末に、まず左肩の状態を回復させる道を選んだのだった。
ファームでの再調整期間は、左肩の状態を戻すだけではなく、体を鍛え直した。肩の違和感も徐々に和らいできており、ボールの出力も上がってきた。「体の強さも結構上がってきて、スピードも上がってきたので、いい感じに来ているかなと思います」。着実に調子は戻ってきているようだ。
1軍のリリーフ陣には負担がかかり始めている。ここまで津森宥紀投手の35試合を筆頭に、大津亮介投手が31試合、一時離脱していた松本裕樹投手が28試合と登板がかさんでいる。さらにはリバン・モイネロ投手が離脱し、左の中継ぎは田浦文丸投手と、この日昇格した笠谷俊介投手という状況になっている。
だからこそ、嘉弥真自身も「早く戻って中継ぎ陣の負担を分散できるようにしたい。左はモイネロもいなくなってしまったし、早く上がりたい。焦ってはいます」と気持ちは逸る。ホークスが誇る“火消しの嘉弥真”の1日も早い復活が待ち望まれる。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)