育成・奥村政稔の好投&姿勢を絶賛「伝わってきます」 小久保2軍監督のコメント全文

ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:米多祐樹】
ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:米多祐樹】

「立場わかっている」7月末に迫る期限までに支配下復帰はあるか?

 ソフトバンク2軍は6日、ウエスタン・リーグの阪神戦(タマスタ筑後)に9-1で勝利した。先発した育成の奥村政稔投手が5回無失点と好投。泉圭輔投手、又吉克樹投手らも1回無失点に抑えた。打線は2回にフレディ・ガルビス内野手、生海外野手らの適時打で4得点。西尾歩真内野手も1安打2打点と活躍した。試合後の小久保裕紀2軍監督の一問一答は以下の通り。

――奥村投手は前回に続き無失点投球。
「手術して育成でやっている選手で、去年は1軍での実績もある選手なんで。そこ(支配下)に返り咲くために必死でやってる姿は、もうしっかり伝わってきますね」

――育成選手としての姿勢がいい。
「自分の置かれている立場がちゃんとわかっている子なんで、そういう子たちはちゃんとするんですよ。だから(期限まで)残り登板数は少ないですけど、思い残すことなく(やってほしい)ね。今日、本当は(初回の)1アウト二、三塁で本来のピッチャーだったら、二遊間を下げるんですけど、奥村のために前進守備を指示して、三振とセカンドゴロで切り抜けたんで。置かれている立場は僕らも分かっているんで、そういう守備位置の指示はしました」

――アルメンタ投手は2軍で3回目の登板。
「そうですね。真っ直ぐはやっぱりいい強さで、結構フォームがゆったりしている。あと持ち球がちょっと引っ掛け気味で、右バッターからするとスラーブみたいな感じらしいんで、面白いと思います」

――イニングまたぎは初。
「5月に1回、3軍でやったぐらいでほとんど経験はないと思います。2軍では初めてやらせようっていうことで一応やった。ホームランを打たれましたけど、その後も崩れることなく、フォームがゆったりで。見た目はそんなに速そうに見えない感じからピュッて来ているんで、結構打ちにくいと思いますよ」

――リチャード選手は復帰してから出塁している。
「まあ2日間で3つも(死球を)当てられているからね。さすがに3日連続で4つ目はないでしょっていうのもあった。(阪神先発の)森木がちょっと最初、抜け気味で危なかったですけどね」

――出塁できている要因。
「実力はあるでしょう。もうファームですることはないんで。ただ、気持ちが全然切れなくなったり、集中しながらできている。その辺が彼の1番の成長じゃないですか。気分のムラが少なくなったっていうね。集中力が高い時と低い時の差が、やっぱり狭くなってきたんで、いいことだと思います」

――野村大樹選手はチーム編成上で2軍調整。
「そうそう。だから今日は代打で行こうって言って、話は最初からしていたんで。本人にも『今日の打線で代打あるところやったらどこや?』って言ったら『水谷と西尾のところです』って言っていた。だから、あの時も直前まで『行け』とは言わなかったけど、自分で準備していたんで」

「ただ、水谷の2打席はやっぱり内容というか……。外野手で3軍に行かされる選手でもある中で、今日のフリー打撃もそうで、その話を多分(コーチが)今してると思うんですけど、結局、今日(の試合前練習の打撃練習は)は5本回しの、3回から4回なんで、20本打てないぐらいなんですよね、外に向かって打つ練習が。今日は1か所で、走塁練習メインの日なんで」

「やっぱり最初の5球にあの(振れない)状態で入って来られたら、ちゃんと振るのって10球ぐらいしかないわけで。1発目の5球が調整というか、球を見るとかじゃなくて、15球しかなかったら、普通はそこは仕上げて入ってくるし、足りなかったら、あそこで(ティー打撃を)やって来ますよね」

「その辺が全然、かかってきている感じがなくて。センターから見ながら『こんなフリーバッティングしてたらな』と思って、やっぱり1打席目の入りを見ても……(結果は三ゴロ)。全部そういうのは繋がっているんで。打ってなかったら、また3軍に行くしかない。3軍ではボカスカ打ってもね、外野手でも呼びたいやつがいっぱいいるんで」

「だからその辺はもうちょっと2桁(支配下)だからとかじゃなくてね。『数少ないチャンスを』って(姿勢で)入ってきてほしいですね。内容じゃないんですよ。練習に入ってくる準備段階として、ちょっとそこも足りないんですね。それはバッティングコーチに指示はしましたけど」

――西尾選手が久しぶりのヒット。
「そうね。まあ、エラーもしていたんで。奥村の足を引っ張るかと思って。いやいや、まだまだでしょ。(大学時代に)4割を3回も打ったバッターには見えんなって言ってやったんですけど(笑)。まだまだです。面白いバットの出方もありますけど。打つところ以外でも色々と神経を使うのはわかりますけど、でも、打つのがなくなったら、彼は生き残れないので」

「それよりも(7回1死満塁で)捕手が弾いた時にホームに走れた。今までああいうのが全くなかったんで、ああいうのが出てきたのはプラス。昨日の仲田もしかり、打つことはみんな一生懸命するんですけど、それ以外のところも、戦力になるっていうアピールは必要なんで」

「あのホームへの走塁は井出コーチからすると当たり前って言われるかもしれへんけど、今まではスタート切れなかった選手なんで、そういう成長は感じながら。トントントンとはいかないです」

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)