復帰に向かう野村勇の表情は「自分のことに集中している感じ」
鷹フルでは20日、ファーム施設「HAWKS ベースボールパーク筑後」で佐久本昌広リハビリ担当コーチ(投手)と高田知季リハビリ担当コーチ(野手)を取材した。現在、10人以上の選手がいるリハビリ組。支配下の選手をはじめ、選手それぞれの段階について話を聞いた。
まずは、投手。右手薬指の細菌感染症でリハビリ調整中の泉圭輔投手は、すでに捕手を座らせてのブルペン投球を開始している。佐久本コーチは「今のところ順調です。最短では25日、4軍戦があるので」と、四国IL高知との4軍戦で復帰を目指していると明かした。この日は体幹メニューなどで調整して、一歩ずつ段階を踏んでいるところ。育成を含めて10人以上いるリハビリ組の中で、泉が最も実戦復帰が近そうだ。
杉山一樹投手は2月中旬に宮崎市内の病院でMRI検査を受け、右肘内側側副靱帯損傷と右浅指屈筋損傷と診断された。すでにブルペン投球も重ねているが、佐久本コーチは「無理させているような感じではなくて、状態を見ながら進めていけたら。ペースダウンしているところです」とした。患部のコンディションを見極めながら、慎重な調整が続いている。
育成の大竹風雅投手は、昨年4月に右肘関節内側側副靭帯再建術(トミー・ジョン手術)と鏡視下右肘関節滑膜ひだ切除術を受けた。手術から1年以上が経過し、すでに2度のシート打撃に登板している。佐久本コーチが「トミー・ジョンの特徴」と挙げたのが「一回落ちるので。投げて、立ち上げていく中で痛みがあって、ペースダウン。また上がってペースダウンする」という。こちらも慎重に段階を踏ませている。
野手では、野村勇内野手がいる。3月31日に尼崎市内の病院で腰の手術を受けたことを球団が発表した。受けたのは「内視鏡下椎弓形成術」で、高田コーチは「軽いジョグとかをしていて、バットもまだ振っていないです。キャッチボール程度なので」と現状を明かす。リハビリ組として過ごす中で、表情は高田コーチの目にはどのように映っているのか。
「当初は焦りとかもあって、はっきりしなかった部分もある。そこがはっきりしたという意味では、気持ち的にはだいぶ前向きになってきている。1日でも早く復帰するという気持ちが強いと思うので、自分のことに集中している感じです」
野村大樹内野手は4月13日のウエスタン・リーグ広島戦(由宇)で頭部死球を受けた。NPBの脳震盪の復帰プログラムに準じて、ここまでメニューを消化してきた。この日も室内練習場でフリー打撃に励んでおり、高田コーチも「制限がなくできれば(復帰は近い)だと思います」と言及した。
育成では西尾歩真内野手、重松凱人外野手がともに右肩の肉離れでリハビリ調整が続いていたが、すでに打撃練習を再開。「この辺は早いかなと思います」とした。時間がまだかかりそうな選手が、野村勇に加えて、左足の中足骨を骨折し3月末に久留米市内の病院で「左第5中足骨接合術」を受けた仲田慶介外野手。「野手ではあとはイヒネ(イツア)がどれくらい上げてこられるかだと思います」と高田コーチは話していた。
(竹村岳 / Gaku Takemura)