ソフトバンクの小久保裕紀2軍監督が8日、福岡・筑後市のファーム施設「HAWKS ベースボールパーク筑後」で始まった新人合同自主トレを視察した。視察後に報道陣に対応した取材での一問一答は以下の通り。
――グラウンドでは『名前を覚えてもらえ』と。
「そう! 122、3人もおったらね、名前を覚えてもらうのも1つの仕事でしょう、この世界。今はゼッケンに入っているけど、それがなかったら誰か分からないんで。もう会う人会う人、常に名乗るぐらいでちょうどいいという話をしました」
――4軍も発足し、2軍の立ち位置も難しくなる。
「初めてみないと、ちょっとその温度感がわからないんですけど、2軍の公式戦出場という目標設定をする選手も増えると思う。そこは多分、去年までと違うところになってくる。これはちょっとまだ憶測ですけど、2軍の試合に出るために3、4軍で頑張って、まずは2軍出場。4軍から1軍っていうのはなかなか目標として持ちにくいと思うんで、そういう点ではそういう選手をうまく吸い上げて、試合で経験積ませる。また1軍に即戦力で送らないといけない選手はそのように使わないといけないという。外国人も結構取ってるんで、大渋滞するところをうまく処理していかないといけないですね」
――1年間、2軍で監督をやり、今年にどう生かす。
「コーチ陣が変わったんでね。この秋も話をしたんですけど、やっぱり僕らの仕事って、この選手の到達点というか、着地点というか、それをある程度描いてあげるのが仕事だと思っているんですよ。だからそこを間違えないようにするっていうのは、もうそれは昨年から引き続きやらないといけないこと。それはもう今の仕事に携わってる限りはそれが一番大事なことだと思う」
「例えば今日も若田部さんとも話していましたけども、ある選手が3年目を迎えるにあたって、今のままではもう無理や、という判断も僕らがしないといけないんだったら、どのアプローチをしようか、と。今の1軍を考えて『ここの層が薄いよね』『ピッチャーのここの層が薄いから、そこに入るためには大幅な改造するのも一つ手ですかね』というような話で僕らはやっていかないといけないんで。その選手1人1人の見極め、着地点をより鮮明に伝えてあげるってのが仕事だと思う。だから見ないといけないなと思いますね。そこで首脳陣の中で意見のすり合わせってのは必須になると思います。特にこれだけ2、3、4の首脳陣がいるんで、軍が変わるごとに言われることが違うということがないようにしないといけないのは僕らの仕事です」
――今までは2軍の公式戦で出ていた育成選手にも緊張感が出てくる。
「そうですね、育成3年目で、今度4軍ができるにあたって、今回外れた野手は荒木だけだったかな。そういう中で残っている選手もいますけど、基本的にはその彼らも、去年は2軍で出た選手でも、今年入ったルーキーの方がいいなとなれば、その子たちを優先して使う。育成のレベル中では一緒なことになるんで、そういうことも言える。下からの目標設定もそうですし、2軍から3、4軍に行く危機感もより一層増すんじゃないですかね。まずは、こっちと向こうで分離キャンプが始まるんで、そこに入れるかどうかの選手の見極めっていうのを僕らはしないといけないですよね」
――育成も含めてキラリと光る子がいれば宮崎に連れていきたい。
「もちろんです。1軍のメンバーと2軍である程度人数を決めてるんで、あんまり大所帯にならないようにはするつもりですけど、光る選手だったら当然連れて行きます。キャンプ中でもこれはもうすぐに宮崎の方に行って見てくれっていうことがあればそれは当然動くでしょうし。ただ毎年のことですけど、スタートで怪我人が多いのはちょっと気になるんですけどね。でも怪我しないためにして、キャンプ行って怪我しても一緒ですからね、怪我するのは一緒なんで。怪我をさせないことを最優先してますけども、でも、ある程度鍛えないと、どこまで鍛えたら怪我するかっていうのもやってみないとわからないんでね。あまり過保護にしすぎるのもよくないなと思いながら、これからの練習メニューも含めて見ていこうと思いますけどね」
――そこが監督の言われる強さ。
「キャンプに来て、他のメニューをして、合同自主トレが緩すぎたから怪我したというのが去年の春のキャンプだった。大卒の子が急に来て、球技が増えすぎたってなったので、その話を生かして今年は球技を増やす、もっと実技を増やすということになっているんで。2月のキャンプで怪我しようが、1月で怪我しようが、怪我は怪我なので。その選手のために今何が一番ベストなのかっていう選手ファーストの議論を組織でやるべきだと思います」
――秋のテーマは鍛える。春は。
「春は最初は同じようなメニューをします。それは選手に伝えているんで。『去年の秋できて、春の初日にできなかったら君達分かっているよね』って話をしてるんで、それなりの覚悟で来ると思います。ずっとはしないですよ、実技もしないといけないんで。ずっとはしないですけど、このオフどういう取り組みしてきたかは同じメニューにしてあげることが一番我々にとっても分かりやすいんで、それでスタートします」
――小久保2軍監督は合同自主トレは全て見に来る?
「来ない来ない。各クール1回くらい。あと4回か5回。見て、藤本監督、森ヘッドから聞かれることがあると思うんで、それに答える準備をしていかないといけないかな」
――明日は成人の日。高卒3年目選手でも来年は1軍でやってほしい。
「急に1軍よりは2軍でまずレギュラーじゃないですか。その目標でいいと思います。ただ、田上の場合は可能性があるんで。千賀が抜けたのもありますから。ウインターリーグから帰ってきて、力強い決意表明のLINEが来てました。既読になるのがちょっと遅いんで、その辺はちょっと言っておかないといけないですけど。目上の人から来たらすぐ既読で返信なんですけど、次の日に返信が来るんで、それはちょっと言っときます(笑)」
――決意というのは。
「今年やるっていうね。しかも手応えをつかめたウインターリーグだったってことだったんで、楽しみですね」
――田上くんは1軍で投げた後苦しんだ。
「後半はまたよくなりましたので。いいタイミングで支配下に戻れて、すぐに先発で使ってもらえて、その後若干ファームでも打たれ続けたときに、1回そこで目標設定をし直して提出物は出させましたけど、自分で決めたことをきっちりやれる子なんで、はい。その辺は全然心配してない。ウインターリーグでカーブの精度が良くなって、それが意外に有効的だったんで、来年それは使えると思いますみたいな文章でした」
――ウインターリーグといえば、リチャード選手は。
「どこスタートになるか分からないですけど、ちょっと散々すぎたんでね。ホップステップジャンプのステップでこけてしまった。29本がホップで、ステップがウインターリーグ、ジャンプが今年でレギュラーというのだったけど、ちょっと計画倒れですね。ステップできなかったんですよ。何とかもう1回やらないといけない」
――彼はメンタル的なところもある。
「そこはだいぶ成長したんですよ。自分で考えて取り組むようになってきましたし、継続できるようになってきたんで。もしB組スタートであれば、メンタル的にやられるでしょうけど、それでもやるしかないんでこの世界は。ウインターリーグで駄目だったっていうところの反省はこのオフにしっかり生かして、2月のキャンプに向けて今トレーニングしてほしいですね。と、本人には伝えています」