同点ホームランを打つも「今の姿じゃ厳しい」 小久保2軍監督が佐藤直樹に苦言

ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:福谷佑介】
ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:福谷佑介】

好投した高橋礼を高評価「来年勝負できそうな球に戻ってきている」

 ソフトバンクの2軍は27日、宮崎県内で開催中の秋季教育リーグ「第19回みやざきフェニックス・リーグ」でDeNAと対戦し、6-2で勝利した。初回に1点を先制されるも、3回に佐藤直樹外野手のソロ本塁打で同点に。さらに正木智也外野手、渡邉陸捕手の連続タイムリーで勝ち越した。4回には正木の犠飛、8回にも川原田純平内野手の犠飛で1点を加えた。

 先発の高橋礼投手は5回を投げて4安打1失点と好投。田浦文丸投手、甲斐野央投手、高橋純平投手のリレーでリードを守った。この日は牧原巧汰捕手が2度目の監督を務めて見事に勝利。試合後の小久保裕紀2軍監督の一問一答全文は以下の通り。

――先発の高橋礼投手の内容は。
「内容というか、なにか真っ直ぐが来年勝負できそうな球に戻ってきている感じがしますね、この2か月ぐらい。あんまり1軍のチャンスはなかったんですけど、もともと真っ直ぐがやっぱり力あるっていうところで侍まで選ばれた選手だと思うんで。それがだいぶ手応えある、真っ直ぐで押し込める、高めでフライを取れる、そういう姿がこの数試合ずっと出てる感じはしますね。まあ格下相手とはいえね」

――球速帯は130キロ台後半ぐらい。
「135キロから140キロぐらい出てたピッチャーが132、3くらいまで落ちてしまっていたんで、その辺りは自分の中で何か取り組んだことで真っ直ぐの手応えが戻ってきたっていう話は自分でもしていたんで。今年は多分最後の登板になるかな、実戦は」

――序盤慌てるところもあったが、4、5回は本来の姿。
「高めでポップフライ、空振りが取れ出したら、多分彼のピッチングになる。それプラスツーシームも覚えたみたいなんで、それでちょっと幅ができればいいですよね」

――来季はおそらく千賀投手がいない。
「今回のウインターリーグ参加組も含めてですけど、チャンスですよね。そこを取りに、カーターにしろ、来年こそは絶対という思いでウインターリーグに行ってるでしょうしね。田上奏大にもチャンスあるでしょうし、当然、笠谷にもあるでしょうし」

――初回は盗塁があったり、パスボールもあったりした。
「出だしに簡単に走らせすぎっていうところありましたけど、その後はちょっとクイックも工夫して、あの時はクイックが1.3秒くらいだったんで誰でも走ります」

――後ろのピッチャーは最近ずっといい。
「純平はもう終盤、結構信頼して送り出せるぐらいになってきて。田浦は全然ですけど、純平はだから、今の感じのとんでもない球がなく、2月1日の初日のブルペンからある程度、今の感覚でいければ、勝ちパターンの中継ぎでもおかしくないぐらいの球を投げている。あれだけ空振りが取れるっていう長所があるんで、オフの過ごし方、プライベートなところだと思います。そこが大事なってくると思います」

――打線の方は6安打で6得点でした。
「あの回だけでしたね。今日のピッチャーは最初のデータと全然違ったみたいで、真っ直ぐがガンガン来るっていう話でいったら、変化球が多かったんで、途中で村上さんが集めて変化球狙いの指示で、あの回は繋がりましたよね」

――佐藤直樹選手にホームラン。
「そうねえ、今日、帰りますけどね。1軍なんでこの秋は、あまり顔を見ることないでしょうけど、素材がいいだけにどうしたもんかなっていうところではありますね。ちょっと気分のムラが大きい選手なんで。プレースタイルはいいんですよ、走る姿とかね。でも、凡退した後も含めて、何かこう抜け切れるのは自分しかいないんで、変わらないと厳しいなという話はしましたけどね」

「もう凡退した後の姿にしろ、ホームランを打ったら本当はめっちゃ嬉しいはずなんですよ、あれだけ打てなかったんだから。でも、なんかわざとふてくされたような感じじゃないですか。南郷でセカンドフライ打って、そのままのダッシュのスピードでベンチまで走ってくるとか、普通でいいと思うんですけど、そうじゃない姿をする選手ってあんまり伸びてないんですよ」

「普通でいいのに、照れ隠しなのか何なのか、そういう変わったことをする。気分のムラが大きすぎます、彼は。いい時はいいし、悪い時は悪い。でも、誰も助けてくれないんで。今回も帰る理由はなんで自分が帰るんかなっていうのは考えた方がいいと思うし。ドラフト1位なんで。球団は大きな投資をしているんでね。今の姿じゃ厳しいですね」

――本塁打こそ打ったが、その後の打席が良くない。
「いや、野球に対するそもそもの取り組み方です。やることをやらないなら、こちらにも考えがあるんでというところですね。(帰るのは)元々決まっていた。谷川原が来るんで、誰を帰そうかって話の中から、担当コーチとも話して、今の姿のままだとちょっと得るものがないんじゃないかなと」

「ゲームにほとんど出ていなかったじゃないですか。で、いきなりゲームっていう感覚よりは、1回打ち込んだりとか肩を作ったりとかした方がいいっていうぐらい、ちょっと迷ってるという判断でそうした。迷ってると言っても、必死さが見えるかというと見えないですから。切り開くのは自分なんで。伸びるためのアイデアとかアドバイス、それは当然するけど、やるべきことをしないのであれば自分で頑張りなさいってことですね」

――牧原巧選手が2回目の監督。
「前回よりは全然(決断が)早かったですよ。あまり今日迷うようなシーンがなかったんで。ただ、みんなあんまり動きたがらないですね。もっと初めて監督させたら動きたがるんかなと思ったら。エンドランかけて外されたらどうしようとかって考えると、みんなドキドキするんですけどね」

「今日はだから1死三塁で単独のときにセーフティスクイズと(いうのがあった)。結局そのカウントにならなかったんですけど、1死三塁で基本セーフティスクイズはないよ、と。一塁手が一塁ベースに付いてるから、セーフティースクイズというサインが有効で。だから、あれは本当に1点取りたければ、スクイズを覚悟を決めて出すべきだし、そうじゃなければ、セーフティスクイズは一番こう中途半端でベンチに都合がいいサインだから、あんまり出さないねっていう話はしましたね」

――9回にダブルスチールもありました。
「あれはダブルスチールというか三盗ですね。今ずっと三盗の練習をやらせているし、今日は(野村)大樹の二盗もありましたけど、三盗もあって、井出コーチも積極的に走っていこうという話をしているんで。三盗のときの一塁ランナーが今日もアウトになったんですけど、あれがちょっと課題なんで。それはちょっと首脳陣の間でちょっと意見をちゃんと統一して、選手に下ろしてしていこうかなと思っていて、休み明けぐらいちょっとミーティングして、どれが一番いいかっていうのはちょっと決めたいと思います」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)