大学は控えで通算1安打も… 育成ドラ9重松凱人の“ドラ1級”ポテンシャル

ソフトバンクから育成9位指名を受けた重松凱人【写真:福谷佑介】
ソフトバンクから育成9位指名を受けた重松凱人【写真:福谷佑介】

ドラフト前に行ったデータ計測で抜群の数値を叩き出した

 ソフトバンクに、来季も新たな戦力が加わる。12月5日に行われた新入団選手発表会見で支配下6人、育成14人の計20選手がお披露目された。育成ドラフト9巡目の重松凱人外野手は、亜大時代に公式戦通算わずか1安打ながら、育成で指名を受けた“隠し球”だ。

 北九州市の出身。萩ヶ丘ソフトボールクラブ、北九州中央リトルシニアを経て、進学校の戸畑高へ。高校時代は通算28本塁打を放ち、大学野球の名門・亜大へと進んだ。中学時代には110メートルハードルで全国中学校大会にも出場した俊足の持ち主だが、レギュラーはつかめず。大学ではリーグ戦出場が通算7試合止まりで、12打数1安打に終わった。

 それでも、類いまれなポテンシャルを見出し、ホークスは獲得に動いた。身長186センチ、体重92キロの体格を誇りながらも、50メートル5秒9という俊足。さらにドラフト前に行ったデータ計測で、重松はスイングスピード、打球速度などで抜群の数値を叩き出し、西武のドラフト1位・蛭間拓哉外野手(早大)とも遜色がなかったという。

 重松自身も「大学ではチームのレベルも高くて(試合に)出るのも難しい部分があった。その中でも足を評価していただいて、スカウトの方も足を生かしてほしいといってくださった。自分は体が大きいですけど、走れるというところを一番アピールしていきたいと思います」と語る。担当の宮田善久スカウトも「50メートル5秒9の瞬足を武器に、スピードとパワー全開でプロの世界へ飛び込む」と評価している。

 幼少期はホークスファンで、自宅にほど近い北九州市民球場にも観戦に行っていたという重松。「二遊間が川崎さんと本多さんで、すごく活躍されていて、それを見ていた記憶はあります。憧れのユニホームに実際に袖を通せてすごくうれしいです」と語るホークスでポテンシャルを花開かせてみせる。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)