「僕がヘッドコーチになって、監督を指名して監督体験をしてもらう」
2日に行われた中日戦で今季のウエスタン・リーグの戦いを終えたソフトバンクの2軍。小久保裕紀2軍監督が就任して1年目の今季は115試合を戦い、65勝43敗7分け。シーズン終盤まで阪神と優勝を争いながらもわずかに及ばず、2.5ゲーム差の2位に終わった。
今季は開幕を2軍で迎えた柳町達外野手が栗原陵矢外野手の負傷離脱でチャンスを掴み、レギュラークラスへと成長。コロナ禍で野村大樹内野手や増田珠内野手、正木智也外野手、投手でも板東湧梧投手らが1軍で結果を残し、頭角を現す1年となった。
シーズンが終わっても、ファームの戦いはまだ続く。10日からは宮崎で秋季教育リーグ「フェニックスリーグ」が始まり、11月に入れば、そのまま秋季キャンプへと突入する。若鷹たちの研鑽の日々はまだまだ続くことになる。
そんな中で小久保裕紀2軍監督は珍しい“若鷹育成プラン”を用意していた。今季を振り返った指揮官は「まず、まだ記憶が鮮明なうちに今シーズンの自分の振り返りを選手に出させて、コーチたちが見た選手のこの秋の課題と選手本人が思っている課題が一致してるかどうかを話したい」と、フェニックスリーグが始まるまでの間に課題を提出させるという。
また、フェニックスリーグでは仰天計画も。「やっぱり”野球自体を覚えさせる”ということを目的にしてもいいと思う」と語り、選手たちに“監督体験”をさせる考えも。「僕がヘッドコーチになって、監督(役の選手)を指名して横に置いて、サインを口頭で言わせて、僕が井出コーチにサインを出す。監督体験をしてもらう」と明かす。
試合中の作戦や守備体系なども選手に考えさせる。「例えば、今日は内野の守備体系はリチャードが全部決めろ、とか。それは松山さん(内野守備走塁コーチ)の提案で、そういうことを今までやってきたらしいので、ベンチじゃなくて選手同士で決めさせる。そのリーダーを決めるっていうことをやっていこうかなと」とも小久保2軍監督は言う。若鷹たちがさらにレベルアップを図るフェニックスリーグも見どころが多くなりそうだ。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)