ソフトバンクの2軍は30日、タマスタ筑後でウエスタン・リーグの中日戦に5-7で敗れた。先発のカーター・スチュワート・ジュニア投手が初回に大量5失点。打線は渡邉陸捕手の4号2ランなどで追い上げたものの、及ばなかった。この敗戦で阪神の同リーグ優勝が決定。ホークスの親子Vはならなかった。
――初回に5失点。
「そうですね。でも、この状況であのぐらいのピッチングしかさせられない、我々首脳陣にもその責任があるんで。カーターだけのせいじゃないし、川原田のタッチ1つにしても、あれ今宮やったらアウトにしていると思うし、水谷のプレーにしてもね、山下の打球を捕りに行かず、最初からヒットにした。あれを捕っていたら5点入っていないわけですから、スチュワート1人だけのせいじゃないですね」
「最後にも選手に話したんですけど、やっぱり2軍といえども、首位争いしている方がやっぱり選手は成長できるんですよ。それは間違いなく、この1週間はそういう時間だったんですけど。やっぱり負けてはいけないとか、今の1軍の戦いみたいになればなるほど、やっぱりゲームに挑むのが怖くなるんです。当たり前なんですよ。やっぱりやらかしたらどうしようっていう思いが入ってくるんで」
「でも、そういう場でいい結果を出せる選手はどういう選手かって話をしたんですけど、やっぱり開き直る選手なんですね。だからその開き直れる選手、自分の本で申し訳ないんですけど、開き直る権利が必要なんで。『投げやりとは違うよ』と。開き直るには、普段の日常生活から含めて、自分はこれ以上準備ができないという時間を過ごしたヤツにだけ訪れる権利という。それが開き直る権利なんで、それを得たやつが、ここ一番、もう負けたら終わり、ここで勝ったらヒーローだ、というところで活躍できるんやと。だから、日々が大事なんだという話を今しました」
――そんな中では渡邉陸選手が2試合連発。
「ちょっと悪すぎたんでね。あのぐらいはできる子なんだよ。やっと戻ってきたなぐらいの感じですね。1軍にいてポンポンって打った子がファームで4本。1軍で3本打っているわけですから、物足りないんで。それは打撃を途中、崩したからなんですけど。あとはやっぱり大事な試合でって言いながら、今年1年引っ張ってきた陸が、昨日、牧原巧に先発マスクを譲ったっていうのも、彼にとってすごい悔しかったみたいで」
「渡邉陸でも2軍で安泰じゃないよっていうぐらいのバッティングの状態の悪さだったので。9点取られて、10点のサヨナラ負けのときのキャッチャーですから、そういうのは僕はシビアに、牧原巧でもチャンスを与えてやるつもりだったんで、それが渡邉陸にとってはよかったじゃないすか。牧原巧にとっては“大チャンスで何してんだ”ということになったと思います」
――2番手に昨日先発した杉山投手を。
「もともとカーターがダメな時にすぐに入れる予定だったんで。ちょっと球数の心配はしましたけど、昨日67球かな? 2日で100球ぐらいなんで。もともと体が強い子なので、2回行ってくれたらなと思ったけど、2回で球数が15球だったんで、もう1回行こうということで、もともと当初の予定でした。1軍でもよくあるじゃないですか、先発ピッチャーがノックアウトされたら、次の日に入るっていうのは」
――満塁の場面で松田選手が代打で出場
「もうとにかく明日が最後のゲームで、今日は彼が代打でいいですっていうね。若い選手を使ってやってくださいっていうふうに気遣っているんで。絶対1番のところで代打で出してやろうと思って様子を伺っていたら、今日のポイントはそこだと思ったんで。お膳立てはしました。どっちに転ぶかわからないから。神様のみが知るんで。今日はあそこしかないっていうところでは出せたと思います。中谷には悪かったけどね。もう集中してて俺の声が聞こえてなかったからね。ゾーンに入っていたから」
――松田選手はベンチにいるだけで雰囲気が違う
「彼はそれが長所で、この世界でずっとやってきたし、もちろん成績もしっかり残したからこそですけども、ベテランで、あれだけずっと変わらぬ姿でやるのは尊いことだと思いますよ。これはどこでも言ってますけど、それは本当に尊いことだと思います。自分があの立場になっても変わらない姿っていうのは、どこに行っても、2軍であろうが、1軍であろうが、侍ジャパンであろうが、自分でやる野球は変わらない。これは若い選手は見習った方がいいです」
――明日は松田選手の最後の試合。
「まだ現役続行希望なんで大活躍して他球団の目に留まってほしいなと思います」