22日に行われる3軍交流試合・北九州戦で実戦復帰する又吉
ソフトバンクの又吉克樹投手が22日の3軍交流試合・北九州戦で実戦復帰することが決まった。17日に負傷後初めてシート打撃に登板していた右腕は、その後の状態も良好なよう。筑後で行われた20日の練習でもブルペンに入って投球練習を行い、調整を次の段階に進めることになった。
7月8日の日本ハム戦(PayPayドーム)で右足甲の骨折などを負い、競技復帰まで3か月前後と診断されていた又吉。初めて打者相手に投げたシート打撃では打者9人に対して、41球を投げ「自分が求めているものに対して、2か月ぐらいほぼ投げてない状態からだったんですけど、でもそれはもっと上げないとなっていうのも感じるので、ここからどうやって上げていくかっていうのを考えながら過ごしたいなと思います」と語っていた。
昨オフに国内FA権を行使して中日からソフトバンクに移籍した又吉。移籍1年目の今季は開幕から勝利の方程式の一角を担い、開幕からフル回転していた。開幕から18試合連続で無失点を継続し、離脱するまでに31試合に投げて3勝3敗14ホールド1セーブ、防御率2.10。ただ、7月8日の試合で骨折などの怪我を負い、無念の離脱となった。
覚悟を持って挑んだ新天地。シーズン途中で離脱したことに対して「悔しさしかないですね。たかだか30試合しか投げていないので。前半戦しかいなかった人間なので」と、今でも悔しさを滲ませる。リハビリ中も常に、その悔しさを胸に留め、日々、復帰に向けて汗を流してきた。
約2か月ほどのリハビリ期間、又吉が常に心掛けてきたことがある。「リハビリ組で腐ってる姿なんか絶対に見せちゃいけないと思っていました。練習態度だったり、練習してる姿で何か見せられるものがあると思って。僕もドラゴンズにいたときに、先輩方のリハビリする姿を見て、あれぐらいの選手でも腐らずにやるんだっていうのを学んだので。それが若い子たちに伝わればいいかなと思ってやっていました」。筑後で一緒に練習する若手たちに悪い影響は与えてはいけない。自分の姿勢から、少しでも何か感じてもらえれば、とトレーニングと向き合った。
競技復帰まで3か月と診断されていたものの、約2か月半で実戦復帰に漕ぎ着けた。ただ、決して焦ってここまで来たわけではない。又吉は「もう絶対戻るぞというよりはまず直すこと。焦って結局、中途半端に戻れませんでした、よりは、しっかり治すときは治すことに専念して、結果間に合わなかったときには、そこで考えればいいと思っていたので」と心中を明かす。焦っても良いことはないと分かった上で、まずは完治させることに重きを置いた。
ただ投げられるようになれば、1軍に戻れるとも思っていない。「戻って戦力になれないと意味がないので、戦力になれるように戻したいなと思います。結果を出さないと、上の人も呼んではくれないと思うので」。戦力になれなければ、1軍には戻してもらえない。実戦復帰し、実戦登板を経る中で戦力になれる状態に戻していくことが、今後必要になってくる。
22日の3軍戦に登板したのち、状態に問題がなければ、23日からタマスタ筑後で行われるウエスタン・リーグの広島3連戦での登板も予定されている。1軍の残る試合は10試合。1軍のマウンドに戻ることを目指し、又吉は階段を上がっていく。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)