ファーム降格のガルビスが2軍戦で一発 小久保2軍監督が悩める助っ人にかけた言葉

ソフトバンクのフレディ・ガルビス【写真:藤浦一都】
ソフトバンクのフレディ・ガルビス【写真:藤浦一都】

「彼が1軍に早期で上がるためにできるサポートは全部する」

 不振でファーム調整を余儀なくされているソフトバンクのフレディ・ガルビス内野手。3日にタマスタ筑後で行われたウエスタン・リーグ中日戦から2軍に合流すると、4日の同戦では左翼スタンドへのソロ本塁打を放つなど4打数2安打1本塁打1打点。1軍再昇格に向けてリスタートを切った。

 3月25日の日本ハムとの開幕戦で劇的な決勝グランドスラムを放ち、鮮烈なデビューを飾ったガルビス。だが、その後は日本の投手になかなか適応できずに不振に陥っていた。ここまで1軍では22試合に出場して打率.129、1本塁打4打点。スタメンを外れる試合が多くなり、2日に出場選手登録を抹消された。

 3日の試合では3打数無安打に終わったものの、2試合目となった4日の試合で快音が。初回の第1打席で右前安打を放つと、8回の第4打席では右打席から左翼スタンドへのソロ本塁打。試合後は「少しずつ調子も上がってきていい感じでした。逆方向に意識して打てて、バッティングの調子は上がってきています」と振り返っていた。

 ガルビスがファームに合流した3日のこと。小久保裕紀2軍監督はファーム施設内の監督室にガルビスを呼び、話をしたという。小久保2軍監督は「本人もかなり多分悩んでると思うんですけど、話したのは『実力はあって、今自分の出せる力が出せてないだけなんで、そのキッカケを作るための2軍の場にしてほしい。キッカケさえ掴めれば、力はあるんだから』という話はした。彼が1軍に早期で上がるためにできるサポートは全部するという話をさせてもらいました」と明かした。

 また、小久保2軍監督はガルビスの人間性についても言及。1軍にいる間もグラシアル選手と共に必死に練習を重ねていたことに触れ「性格が糞がつくほど真面目な珍しいタイプですから。もうちょっとラテンのノリで軽く明るく、明るいんですけど、もう通訳もびっくりするくらい真面目。グラシアルとずっと早出で打ったり、室内で打ったりしてるタイプ」と語る。真面目さ故に、思い悩んでいる部分もあるようだ。

 一発を放った4日の試合後も小久保2軍監督は「自分で考えてやっている。元々動きがある中で打っていたのを今は動きを止めてやっているんで。彼は彼なりに実績もあって、引き出しもあるでしょうから。あの身長、あの体でメジャーで10年以上やってきたわけなんで、それは何かあるはずですから。それが今たまたま出せてないだけ」と語る。必死に試行錯誤するガルビスの姿を今は静かに見守っている。

 1軍は柳田、グラシアルこそいるものの、一発のある大砲を必要としている状況にある。早期にガルビス、そしてファーム調整中のデスパイネの状態を上げたい思いは小久保2軍監督も「強い」という。「デスパイネは練習ではスイング速くなってきましたよ。去年見てて分かったんですけど、練習のときのスイングスピードと一致してるので」とも語る小久保2軍監督のもと、ガルビス、デスパイネの助っ人が“再生”を目指す。

【動画】1軍再昇格へ! ガルビスが2軍戦で放ったソロ本塁打