柳田悠岐が口にした感謝の言葉 苦しい筑後での日々乗り越え「自分だけの力じゃなく」

ヒーローインタビューに登場した柳田悠岐【写真:加治屋友輝】
ヒーローインタビューに登場した柳田悠岐【写真:加治屋友輝】

徹底した独自取材、データ分析
選手の本音や核心に迫る「鷹フル」

柳田のヒーローインタビューと試合後のコメント全文をお届け

 言葉の端々に喜びが滲み出ていた。ソフトバンクは16日、本拠地みずほPayPayドームで行われた日本ハムとのクライマックスシリーズ・ファイナルステージ第2戦に3-0で勝利し、日本シリーズ進出に王手をかけた。決勝打を放ったのは柳田悠岐外野手。8回1死一、二塁で値千金の決勝3ランを放ち、ベンチで喜びを爆発させた。今季、怪我で苦しんできた大黒柱の喜びに溢れたヒーローインタビューと、試合後の取材対応での全てお届けする。

【ヒーローインタビュー】
――ナイスバッティングでした。
「ありがとうございます!」

――柳田選手、久しぶりのお立ち台ですよね。
「はじめまして! 柳田です!」

――日本ハムに2連勝、今のお気持ちいかがですか?
「アドレナリンマックス!」

――8回、逆方向へ3ラン。あの時どんな思いで打席に立ってたんですか?
「もうチャンスやったんで、もう打つしかないと。ここで打ったらお立ち台で皆さんに『はじめまして!』と挨拶できると思って必死こいて打ちました」

――打った瞬間の手応えは?
「ちょっと詰まったんですけど、外野手が前に来てたんで(頭の上は)越えるやろなとは思いましたので。すごい嬉しかったです」

――前の打席は川瀬選手が代打で登場して、ファンの皆さんからの「YAH YAH YAH」の応援歌が止まりませんでした。どんな気持ちで聞いていましたか?
「いや盛り上がってますねー!」

――柳田選手にも声援は届いていましたか?
「ありがとうございます!」

――これでアドバンテージ含めクライマックスシリーズ突破まであと1勝です。つまり明日勝てばCS突破です。
「はい、知ってます」

――最後に皆さんへ熱いメッセージをお願いいたします。
「皆さんお久しぶりです。シーズン中活躍できなかったので、それを少しでも取り返せるように必死こいて頑張りますので、また応援よろしくお願いします」

【試合後の囲み取材】
――興奮が隠せない感じだった。アドレナリンが出た。
「えぐいっすね、今バリ疲れているんですけど。もう本当アドレナリン出たんで疲れました」

――打った感触は。
「ま、いいスイングはできたんで、外野(の頭の上)は越えるやろなっていう感じでした」

――代打で川瀬くんが出ていって、ネクストでどう見ていた?
「どっちにしろチャンスで回ってくるとは思ったんで、いいスイングの練習をしっかりしていました」

――アドレナリンは試合展開も含めて出ていた。緊迫した展開だったから。
「もちろんです。そうだと思います」

――なかなか1軍にいれなくて、終盤に戻ってきて、この短期決戦のこういう場面っていうのはどういう心境でしたか。
「僕の心境ですか? でも筑後で僕のことをサポートしてくださった人がいっぱいいたんで。そういう人のためにも、僕が結果を残すっていう気持ちではずっといます、今は」

――こういうアドレナリンが出る試合っていうのは、まさにその筑後にいる時に求めてたもの。
「そうっすね、こんな出たのないので。筑後の生活で。すごい良い疲労というか、そういうのはあります」

――今年は長かったし、苦しかった
「怪我はもう本当しょうがないって言ったらあれですけど、起こったことなので。そこからどうするかっていうのを考えて、もしかしたら最後出れるかもと僕は思っていたので、その戻った時にいいパフォーマンスが出せるようにっていうのだけは考えてやっていました。それでも自分だけの力じゃなくて、周りの方のおかげでこうやって来れたと自分では思ってるので、今は試合に出させていただいてるんで、チームの代表だと自分の中で思ってプレーしようとしてます」

――レフト方向の打球が出始めている。
「そうっすね、練習してるんですけど。色々試しながらやってますけど、でもスイングは筑後いる時より良いと思います」

――試合出る中で掴んできたような感覚?
「試合と練習と。掴んではないですけど、だんだん、だんだん形になってきたなっていう感じですかね」

――レフト方向に打球が飛ぶようになると、良くなってきたなっていう感覚になる?
「どうなんですかね。でも若い頃はよう打ってたんで。懐かしいなっていう感じです」

――その頃の感覚近くまで来ている?
「いや、あんま覚えてないですけど、ぶっちゃけ。まあでも今できる、いいバッティングをできるように、探しながらやってます」

――ティーバッティングを打つ時に高く打ち上げる練習もする。「ボールを上げるのは下半身だ」みたいなことを前言っていた。
「おおー懐かしいですね」

――怪我して下半身のトレーニングはできなかった。
「いやいや、できてました。やれる範囲でやっていました」

――強さが戻ってきて上がる打球がまた戻ってきた?
「どうですかね。去年もケガして、今年も怪我して。でもトレーニングだけは一生懸命やってましたので、それがちょっと自分の中でも体の状態良くなってるんじゃないかなと思います」

――レイエスも逆方向に力強い打球を昨日打っていて、刺激に受けたものはありますか?
「いや……。刺激とかはないんですけど、もう本当に、やれることをやることだけ考えてやってます」

――CSで10本目の本塁打。歴代トップだった内川さんに並んだ。
「意識してました。内川さんに会って、そういう話をしたんで。次は内川さんを超えたいなと思います」

――昨日話した?
「昨日です。はい」

――超えろよっていう感じで?
「いやいや『まあ頑張れ』みたいな。なんか余裕な感じでしたけど。(追いつけて)良かったです。いい場面で出たんで。良かったです」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)